公開日:2021年3月19日
更新日:2021年6月29日
新型コロナウイルスの「変異ウイルス」が出現し、WHO(世界保健機関)や各国が注意喚起を行い警戒を強めています。
「変異株」ともいわれ、従来株と比べて、感染力や重症化リスクが高い可能性が報告されています。
2021年3月時点で、特に警戒が必要と言われる変異株は、
- イギリス
- 南アフリカ
- ブラジル
- インド
などに由来する変異ウイルスです。
新型コロナウイルスは、ウイルス表面に突起物が付いており、それを足がかりとしてヒトの細胞に感染します。
“イギリス型” “南アフリカ型” “ブラジル型” いずれも、アルファ株「N501Y」と呼ばれる変異が共通して突起物に起こっています。”インド”で確認された変異コロナウイルスはデルタ株「L452R」と呼ばれます。
Q&A
現時点では検出可能です。
当院のPCR検査は、厚生労働省に承認された診断薬を用いており、変異が起きていない「共通部位」を検出しております。
現在話題となっている“イギリス型” “南アフリカ型” “ブラジル型” 全てにおいても共通の配列です。
よって、上の3株については見落としという状況はありませんが、今後新たに発生する変異株等でこの共通部位に変異が生じたものが発生した場合には、見逃しの可能性は出てくる可能性が理論上はあり得ます。
2021年6月時点で、デルタ株「L452R」も対応しております。
検査能力として従来株か変異株かを調べることができますが、保険適応ではなく、お客様の追加検査・費用負担が必要になってしまいます。
そのため、2021年3月時点では変異ウイルスを検出するサービスは提供しておりません。
2021年4月以降、あくまで検査能力としては、イギリス・アフリカ・ブラジルのどの型かの確認もできるようになります。
変異ウイルスの動向を見ながら、もし変異株の確認も医学的に必要と判断した場合は、変異ウイルスの結果方向も行う体制は整えてまいります。
従来株と比べ、感染性が高い可能性があるためご不安な方は多いかと思います。
現在、有効な治療薬も見つかっておりません。
大切なことは感染予防であり、それは変異ウイルスの流行前と変わりありません。
マスク着用・手洗い・飛沫予防に努めていきましょう。
また、新型コロナウイルスワクチンの普及も大切です。
変異ウイルスにもワクチンは有効とするデータも出てきています。
特に、高齢者・基礎疾患をお持ちの方への感染を避けるためにも、集団免疫をつけることが重要なステップとなるでしょう。
作成者:大森町駅前内科小児科クリニック医師