サル痘とは
サル痘は「サル痘ウイルス(Monkeypox virus)」とよばれるウイルスに感染すると発症する病気です。
ヒトからヒトへの感染はまれですが、飛沫感染や接触感染(感染者の体液や飛沫がついたものに触れる)でうつる場合があるとされています。
欧米を中心に報告されており、2022年7月23日にWHOがコロナ以来初となる緊急事態宣言をだしましたが、7月25日日本国内でも感染者が初めて確認されました。
新型コロナウイルスとの共存にむけ海外諸国との往来が活発化していくに伴い、今後さらに日本国内での報告も増えていくと思われます。
では、具体的にサル痘の症状はどのようなもので、どう対処すればよいのでしょうか。
サル痘の症状
急性発疹性疾患とよばれ、WHOによるとおよそ7〜14日程度の潜伏期間をおいて発症します。
症状は、
- 特徴的な発疹
- 発熱
- 頭痛
- リンパ節が腫れる
- 背中の痛み、筋肉痛
などです。発熱1〜3日後に急に発疹(ほっしん)がでてくるのがサル痘の特徴です。
発疹は特徴的で、顔や手足に多くみられ、次第に盛りあがってきて水ぶくれ(水疱)になります。その後、膿(うみ)がでて、かさぶたとなって治ります。
多くの場合、数週間で自然に良くなり、命に関わることは少ない(致死率は低い)とされています。コロナほどの感染力もありません。ただし、小児や免疫不全の方など重症化する場合があるとされています。
2022年7月時点で感染拡大が見られているサル痘は、ほどんど男性患者であり、男性同士の性的接触がきっかけとなり、発疹(ほっしん)も局所(陰部、肛門周囲や口腔など)に集中し、全身に見られない場合があるようです。
サル痘の診断と治療
発疹(ほっしん)から採取した組織からPCR検査によるウイルスDNAの検出をします。
一般のクリニック・病院で診断まで完結することは難しいでしょう。
流行している地域に渡航歴があり、そこで動物や感染者と接触した場合は疑うきっかけとなります。
有効な治療薬は今のところありません。
2022年7月時点でサル痘に対して承認された治療薬やワクチンはありませんが、欧米などで承認されている天然痘(てんねんとう)の治療薬や、日本でも作られている天然痘ワクチンが予防に有効ではないかとされています。
参考サイト
作成 : 医療法人社団エキクリ 医師