コラム

【タイプ別】喘息の原因とは?主な6つの発作の原因と対処方法を解説

気管支喘息の発症・悪化の原因は、花粉やダニ、カビなどによるアレルギー、気道の感染症などさまざまです。喘息を放置すると治りにくくなる可能性があるため、適切に治療を進めなければなりません。本記事では、喘息の発症の原因、発作を引き起こす主な6つの原因とその対処方法、治りにくくなる原因を解説します。

【タイプ別】気管支喘息の発症の原因

気管支喘息には、以下のような種類があり、それぞれに発症の原因が異なります。

種類原因
アトピー型喘息花粉やダニ、カビなどのアレルギーが原因で発症する喘息。
非アトピー型喘息アレルギーの原因が明白ではない喘息。
アスピリン喘息アスピリンやロキソプロフェンなどの解熱鎮痛剤が原因で発症する喘息。
運動誘発喘息冷たく乾いた環境で運動すると起こる喘息。呼吸により気管支の熱や水分が奪われるのが原因である。
咳喘息痰の絡まない咳のみが症状である喘息。感染症やアレルギー、喫煙、飲酒など原因はさまざまである。

気管支喘息発作の主な6つの原因とその対処方法

気管支喘息発作の主な6つの原因とその対処方法は以下の通りです。

  1. 感染症:手洗い・うがいを徹底する
  2. アレルギー:まずは自分のアレルゲンを特定する
  3. 喫煙:ニコチンガムや禁煙外来を活用する
  4. 肥満:食生活の乱れや運動不足を改善する
  5. ストレス:解消方法を身につける
  6. その他:大気汚染や気象の変化にも注意する

それぞれの詳細を解説します。

1.感染症|手洗い・うがいを徹底する

風邪やインフルエンザなどの気道の感染症は、喘息悪化の大きな原因です。以下を参考にして、感染症の予防を徹底しましょう。

  • 帰宅時に手洗い・うがいを徹底する
  • 外出時はマスクをして、人混みを避ける
  • インフルエンザの流行前に予防接種をする
  • 高齢者(65歳以上)は肺炎球菌ワクチンの接種をする

空気が乾燥する冬は特に注意しましょう。

2.アレルギー|まずは自分のアレルゲンを特定する

喘息の原因がアレルギーの疑いがある方は、まずはアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質のこと)を特定することが大切です。喘息を引き起こすことが多いアレルゲンは以下の通りです。

  • ダニ
  • カビ
  • ペットの毛やふけ
  • 花粉

具体的な対策としては「ダニやカビが発生しないように、こまめに換気や掃除をする」「花粉の時期は外出時にマスクをして、花粉が付着しにくいナイロンやポリエステル素材の服を着る」などがあります。

3.喫煙|ニコチンガムや禁煙外来を活用する

喫煙は呼吸の機能が低下するため、喘息を悪化させます。受動喫煙も喫煙者同様に、影響があるため注意が必要です。前提として喘息の方は禁煙が必要です。

自分で禁煙することが困難である場合は、ニコチンガムやニコチンパッチ、禁煙外来を活用することを推奨します。

e-ヘルスネットの禁煙のおくすりってどんなもの?を参考にすると、ニコチンガムは1.5倍、ニコチンパッチは1.6倍も禁煙成功率が高まると報告があります。

4.肥満|食生活の乱れや運動不足を改善する

肥満やメタボリックシンドローム(内臓肥満に高血圧、高血糖、脂質異常症が組み合わさっている状態)は、喘息の悪化または発症の原因です。脂肪細胞から分泌する物質が気管支に炎症を引き起こすことで、喘息が悪化します。

肥満やメタボリックシンドロームを予防・改善する基本的な対策は以下の通りです。

  • 肉類や油物を避けて魚や野菜を中心にした食生活をする
  • ウォーキングやストレッチなど運動習慣を身につける
  • BMI25未満(肥満度の指標のこと)を目指す

BMIは「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」で計算できます。

5.ストレス|解消方法を身につける

はっきりとはしていませんが、ストレスを感じると炎症物質が分泌されて、喘息が悪化すると考えられています。以下のような自分に合ったストレスの解消方法を身につけることが大切です。

  • 仕事などにより緊張が続く場合は、休憩を挟みながらストレッチや深呼吸をする
  • ウォーキングやサイクリング、ランニングなど適度な運動習慣を身につける

面接や会議などによりストレスを受けることがわかっている場合は、医師に相談して薬の量や種類を調整してもらいましょう。

6.その他|大気汚染や気象の変化にも注意する

その他にも以下のような喘息悪化の原因があります。

原因詳細対処方法
気象の変化台風の前など急激な気圧や気温の変化により喘息が悪化する。医師と相談して台風の時期は、薬の量や種類を調整する。
大気汚染や煙汚れた空気により気道が刺激され喘息が悪化する。大気汚染注意報を確認する。外出時はマスクをする。
アルコール人によっては飲酒によって気管支の粘膜がむくんでしまい、喘息が悪化する。基本的に飲酒は控える。飲酒の機会がある場合は医師に相談する。

気管支喘息が治りにくくなる原因

気管支喘息が治りにくくなる原因は、リモデリングが起こりやすいためです。リモデリングとは、喘息の治療を中断・放置することで炎症が長期化してしまい、気道が硬く狭い状態になってしまうことです。

リモデリングを起こすともとに戻らなくなり、治りにくくかつ重症化する原因にもなります。この状態になることを避けるためにも、喘息は放置せず迅速に治療を進めることが大切です。

なお、成人の喘息は非アトピー型が多く、ほぼ治らず長期にわたって付き合っていく必要があります。

気管支喘息の原因を特定するためにも早期受診をしましょう

気管支喘息はまずは原因を特定することが大切です。原因を特定することで、喘息の種類に応じた治療や対処が進められるためです。

喘息は放置するとリモデリングを引き起こし治りにくくなります。「原因に応じた対処方法を身につける」「リモデリングを引き起こさない」ためにも、早期に受診を検討しましょう。

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