コラム

糖尿病を予防するための6つの対策|発症を防ぐには原因の理解が大切

糖尿病を予防するには、まずは発症の原因について理解することが大切です。原因を理解したうえで、生活習慣の修正を実施していく必要があるためです。本記事では、糖尿病を引き起こす原因やなりやすい人とならない人の特徴、予防するための6つの対策、糖尿病予防とコーヒーの関係性について解説します。

糖尿病を引き起こす原因

糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病があります。多くの人が発症するのは、生活習慣や遺伝が原因である2型糖尿病です。

2型糖尿病の原因は下記の通りです。

  • 食べ過ぎ
  • 肥満
  • 運動不足
  • ストレス
  • 喫煙
  • 飲酒
  • メタボリックシンドローム(内臓肥満や高血圧、高血糖、脂質異常症などがともなっている状態)

上記のほかに2型糖尿病の家族歴がある人は、ない人と比較して発症リスクが高いです。1型糖尿病の原因は、免疫が関わっているとされていますが明確になっていません。

糖尿病になりやすい人とならない人の特徴

糖尿病になりやすい人の特徴は下記の通りです。

  • 運動する習慣がない
  • 朝食を食べない
  • 何度も間食をする
  • 夕食を遅い時間に食べる
  • 早食いである
  • 野菜やきのこ、海藻、果物類を食べない
  • 飲酒量(平均1日2合以上)が多い
  • 喫煙をしている

上記に当てはまる人は血糖値が上がりやすい生活です。当てはまらない人は糖尿病になるリスクが低いと考えられます。ただし、遺伝によりなりやすい人もいるため注意が必要です。

糖尿病を予防するための6つの対策

糖尿病を予防するための6つの対策は下記の通りです。

  1. バランスの良い食事をする
  2. 適度な運動習慣を身に付ける
  3. 肥満を予防する
  4. 節酒・禁煙をする
  5. 定期的に健康診断を受ける
  6. 予防のための薬を処方してもらう

それぞれ解説します。

1.バランスの良い食事をする

エネルギーの三大栄養素である糖質(炭水化物)や脂質の摂りすぎは、2型糖尿病の発症リスクを高めます。炭水化物や脂質、タンパク質の割合は下記を目安にしましょう。

  • 炭水化物:40~60%
  • 脂質:20~30%
  • たんぱく質:20%まで

食事量は上記を意識しながら、腹八分目にすることが大切です。また、野菜や海藻、きのこなどに含まれる食物繊維やマグネシウムは、2型糖尿病の発症リスクの低下が期待できるため意識的に摂取しましょう。

2.適度な運動習慣を身に付ける

適度な運動習慣は2型糖尿病の発症リスクを下げられます。歩行のような有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングも効果的です。例えば下記のような運動です。

  • ウォーキング:15〜30分を1日2回
  • 立った状態のかかとの上げ下ろし:10〜20回を1日2〜3セット

ウォーキングは、1日の歩数が多いほど発症リスクが下がり、早歩きであればさらにリスクを下げる効果が期待できます。

3.肥満を予防する

日本人はBMI25(肥満指数)ほどの小太りでも2型糖尿病になりやすいです。BMIが1kg/㎡増えるごとに、男性・女性ともに発症リスクが17%上昇するといわれています。

一方で、生活習慣の改善とともに体重を2〜3kg減少させれば、2型糖尿病の発症リスクを大きく低下できます。前述したバランスの良い食事や運動習慣を身に付けることで、肥満を予防しましょう。

4.節酒・禁煙をする

2型糖尿病の発症リスクを上昇させないためには、節酒・禁煙は重要です。例えば清酒の場合、1日1合以上飲む人は飲まない人と比較して、1.3倍も2型糖尿病の発症リスクが高まるとされています。

喫煙する人(1日20本以上)と喫煙しない人を比較すると、男性で1.4倍、女性で3倍も2型糖尿病の発症リスクが高くなるとされています。

5.定期的に健康診断を受ける

糖尿病の発症を予防するには、早い時期に血糖値をコントロールする必要があります。そのために定期的に健康診断を受けて、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー:ヘモグロビンと糖が結合している割合)などの数値が高くないかを確認することが大切です。

特に検診などで糖尿病予備軍と診断された方は、医師や栄養士の指導を受けながら、生活習慣を見直しましょう。

6.予防のための薬を処方してもらう

すでに血糖値が高めで糖尿病予備軍である方は、発症を抑えるための薬を処方してもらえることがあります。ただし、前提としてバランスの良い食事や運動など生活習慣の修正も必要です。

日本では、食後の血糖値の上昇を抑えるボグリボース錠が保険適用となっています。血糖値が高めの方は、一度受診をして医師に相談してみましょう。

糖尿病予防とコーヒーの関係について

コーヒーを多く飲む人は、2型糖尿病の発症リスクが低くなるという報告があります。しかし、コーヒーの摂取により血糖値を確実に低下させるという結論は得られていません。

確実なエビデンスが証明されるまでは、嗜好品の一つとして楽しみましょう。砂糖を多く含むカフェオレなどのコーヒーは、2型糖尿病の発症リスクを高めるため注意が必要です。

糖尿病の予防に大切なことは日々の積み重ね

2型糖尿病の発症を予防するために大切なことは、日々の規則正しい生活習慣の積み重ねです。そのためには、まず食べ過ぎや運動不足、肥満、遺伝などの2型糖尿病の原因について理解しなければなりません。

原因を理解した上で、医師や栄養士に指導を受けながら生活習慣を改善することが大切です。2型糖尿病になりやすい生活をしている方や血糖値が高めである方は、医師に診察してもらい適切な対応を取りましょう。