コラム

ブタクサ花粉症|症状・対策・治療について解説

ブタクサ花粉症について

夏から秋にかけて増加するブタクサ花粉症。患者数も多く、秋を代表する花粉症と言っても良いほどです。

実はブタクサ花粉症は、1961年に日本で最初に報告された花粉症ですが、注目されることが少なく、どんな対策をすればよいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、ブタクサ花粉の特徴や、ブタクサ花粉症の症状、治療などについて解説します。

ブタクサとは

ブタクサは日本全国に広く分布しているキク科の植物です。公園や道端、河川敷などでよく見られますが、アスファルトの多い土地であってもわずかな土があれば生息できるとされています。

草丈はおよそ1〜2メートルであり、夏の終わりごろから秋にかけて2㎜ほどの黄色く小さな花を無数に咲かせます。その花が細長く連なり、枝先に穂を作ります。

繁殖力が強く、元々は北アメリカが原産でしたが、世界中に分布し、日本には明治初期に入ってきた外来種となります。

ブタクサ花粉症の症状は?

ブタクサ花粉症には下記のような症状があります。

鼻や目の症状に加えて咳の症状が現れるため、風邪の症状と迷われる方もいると思いますが、1週間ほどで治まることの多い風邪と違い、症状が長引いているという場合にはブタクサ花粉症が原因の可能性があります。ブタクサの生育している場所には近づかないなど、対策をしましょう。

口腔アレルギー症候群

花粉症の人がその花粉と類似したアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)をもつ果物や野菜を食べた時に、唇や口の中、喉にかゆみや腫れなどの症状が現れることがあります。

これは口腔アレルギー症候群と呼ばれるもので、ブタクサ花粉症の方も例外ではありません。

ブタクサ花粉症の場合、ウリ科の食べ物(スイカやメロンなど)を食べる際は特に注意してください。食べた後15分以内に唇や口の中にかゆみや腫れ、イガイガ・ピリピリするといった違和感などの症状が現れることがあります。

また、口腔アレルギー症候群は、腹痛や下痢、蕁麻疹、息苦しさや咳などの重い症状が現れることもあり、極めてまれですがアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。

食べた時に少しでも違和感があるという場合には、無理にそれ以上食べることはしないように心がけましょう。

ブタクサの花粉の特徴は?

飛散時期

ブタクサの花粉は秋に大量に飛散します。

しかしながら、他の植物の花粉と同様に、月別に見た際の飛散時期・飛散量やそのピークは地域によって少しずつ異なっており、日本では特に東北や関東での飛散量が多いとされています。

お住まいの地域の飛散時期やピークを確認して、早めの花粉症対策に役立てましょう。

北海道・ほぼ生育していない
東北・8月中旬から10月中旬まで飛散
・ピークは9月上旬
関東・7月中旬から12月下旬まで飛散
・ピークは8月下旬から9月下旬
東海・9月中旬から9月下旬まで飛散
・飛散量は少なく、突出して多い時期もない
九州・8月下旬から10月中旬まで飛散
・ピークは9月中旬から9月下旬

大きさ

スギの花粉と比べておよそ半分という、花粉の小ささも特徴です。

スギ花粉ほどの大きさがあれば、吸い込んでしまっても鼻毛などによって阻まれてその先に入り込むことは少ないのですが、ブタクサの花粉は阻まれずに侵入できてしまいます。

ブタクサ花粉が気管支まで侵入してしまうと、粘膜が刺激されて咳などが引き起こされます。喘息の方は症状が悪化してしまう可能性もあるので、注意が必要です。

ブタクサ花粉症の対策や注意すべきことは?

ブタクサ花粉症の対策は、ブタクサ花粉を避けること、浴びないことが基本となります。

ブタクサ花粉はスギやヒノキと違って飛散距離が短く、数メートルから100メートルほどです。生育している場所を確認しておき、できるだけ近づかないことを心がけましょう。

ブタクサの生育している場所を通る必要があるなど、近づかざるを得ないという場合には、マスクや花粉症用のメガネなどを身に着け、吸い込まないように対策しましょう。

また、喘息など症状が重くなる可能性のある方は、花粉の除去率を高めるためにインナーマスク(マスクの内側にあてるガーゼ)の活用もお勧めします。

外出の際の衣服は、ツルツルとした滑らかな素材で花粉のつきにくいものを選び、帰宅時には花粉を部屋の中に持ち込まないように玄関先で払い落としましょう。さらに、うがいや洗顔も行うことも効果的です。

部屋の中では空気清浄機を稼働させる、床に落ちた花粉が舞い上がらないように掃除をこまめに行うなどの対策も良いでしょう。

ブタクサ花粉症の治療法はある?

対策を講じたとしても症状がなかなか緩和しないという方もいます。

花粉症に対しての治療法としては、薬やアレルゲン免疫療法などがあります。日常生活に支障が出るほどつらい時には無理をせず、治療しましょう。

適切な薬を用いる

花粉症に対しては、内服薬や点鼻薬、点眼薬もあります。自分の症状に合った適切な薬を使用することで、症状の緩和が可能です。

アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法(減感作療法)は、花粉症などのアレルギー症状を緩和、あるいは完治させたいという方へ行う治療法です。

アレルゲンを抽出した治療用のエキスを少量ずつ投与して、体がアレルゲンに慣れるようにすることで、アレルギーの起こりにくい体質へと変化させるという方法になります。

ブタクサ花粉症には舌下免疫療法の治療用エキスがまだないため、注射での投与で週に1、2回行います。

減感作療法は医療機関で実施しています。しかし、長期にわたって治療を継続する必要があります。また、疾患や服用中の薬によっては治療を受けられない方がいます。

まずは、自分がアレルゲン免疫療法を受けられるかどうか、医療機関へ相談してみると良いでしょう。

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