- 喘息とは
- 喘息の症状は?
- 喘息の8つの原因
- 喘息発作が起きたときはどうする?対処法は?
- 喘息は治る?!
- 急な喘息発作が起きた時。楽になる4つの方法
- 喘息は市販薬を使用しても大丈夫?
- 当院でも喘息の相談が可能です
季節問わず喘息にお悩みの方や、これって喘息?!と不安になられている方も多いのではないでしょうか?
当院も喘息を疑う症状でお悩みの大人の方にご相談をいただくこともあり、意外と喘息の患者様は多いと感じています。今回はそんな喘息の症状、原因、対処、楽になる方法などについて解説いたします。
喘息とは
喘息の方の気道は、症状がないときでも常に炎症を起こしてる状態で、健康な人と比較して気道が狭くなり空気が通りにくくなっています。
そんな炎症が起こっている気道は非常に敏感で正常な気道であればなんともない埃やタバコ、ストレスなどのわずかな刺激でも狭くなってしまい、痰などの分泌物が増えてしまいます。
そのため、呼吸が苦しくなり、息をするたびにゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえたり、激しくせき込んでしまったりと発作を起こしてしまいます。
喘息の症状は?
喘息には下記のような様々な症状があります。
- 呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという音が出る(喘鳴)
- 息苦しい
- 咳き込む
- 夜間や早朝に咳や喘鳴などの症状が出やすい・夜間目が覚める
- 走ったり運動したりした後息苦しさがある
喘息は咳や痰、喘鳴など様々な症状があります。最近では咳だけ出る咳喘息も増加しています。また、胸痛や喉の違和感なども喘息症状の1つとされています。 このような症状が続いている方は、一度内科や呼吸器内科を受診し医師に相談しましょう。
喘息が起こりやすい時がある?
喘息発作は、実は夜間や早朝に起こりやすいという特徴があります。 そのほかにも、
- 夜間~早朝にかけて
- 季節の変わり目や気温差が激しい時
- 天気が良くない時
- 疲れているとき・風邪を引いた時
- タバコの煙や強いにおいなどの刺激を感じた時
喘息の8つの原因
そもそもなぜ喘息になるのでしょうか?もちろんアレルギーも大きな原因の1つですが、日常生活には喘息の原因となるものがたくさんあります。
喘息の原因は2つに大別され、1つはアレルギーによるアトピー型、もう1つはアレルギーとはかかわりのない非アトピー型と呼ばれます。
大人の喘息は非アトピー型が多く、日常生活の中の意外なものが喘息や喘息発作の誘因となっていることがあります。
- アレルギー
ハウスダストは、アトピー型喘息のアレルゲンとして、最も多いとされています。 アレルゲンの代表格とされるダニの死がいや糞などが含まれているためです。 そのほかにも、エアコンや洗濯機などのカビやペットの抜け毛やフケなどがアレルゲンとなります。 毎日の清掃や家電製品の手入れなど生活環境を整えることが大切です。 - ウイルス感染
風邪やインフルエンザ、コロナなどの呼吸器感染症は気道に炎症を起こすため、喘息悪化の原因となります。 呼吸器感染症にかからないように十分に予防しましょう。 また、風邪薬にアスピリンなどの解熱鎮痛薬を含むものがありますが、こういったものが原因となる喘息もあるため安易に市販の風邪薬を内服することは避けましょう。 - 喫煙
タバコの煙に含まれる有害物質が気道の炎症を悪化させるため、禁煙に努めましょう。 副流煙による受動喫煙も喘息に悪影響があるため注意が必要です。 - 肥満
意外にも非アトピー型喘息の原因は肥満が多いとされています。 肥満度が高くなると喘息を発症しやすく悪化もしやすいことがわかっています。 肥満度が下がると喘息も改善されるため、食生活の改善や運動習慣をつけて減量に取り組みましょう。 - ストレス・過労
過労や強いストレスは抵抗力を弱め、風邪やインフルエンザなどの喘息の原因となりやすい感染症にかかりやすくなります。 また、私たちの身体はストレスを感じると自律神経などの乱れによって気道を収縮させることがあり、これも喘息発作につながります。無理のない生活を勧めます。 - 大気汚染
PM2.5や排気ガスなどの大気汚染物質は気道を刺激するため炎症の原因となります。 - 気温・気圧
寒冷前線などで気温が急激に下がった時や台風のように気圧が急に変化するときなどの気候が安定していない時期に起こりやすい傾向があります。 寒暖差が大きい季節の変わり目は喘息の要因となりやすい風邪などの感染リスクも高まります。 また、冷たく乾燥した空気も気管支への刺激となるのでマスク着用もお勧めします。 - アルコール
アルコールを摂取すると速やかにアセトアルデヒドに分解されますが、このアセトアルデヒドが有害物質であり、発作が誘発される場合があります。(アルコール誘発性喘息)日本人は体質的にアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い人が多いため、飲酒の際は注意が必要です。
喘息は現代人に多い?!
日本では喘息の方が増えており、1960年代と比較すると子どもで約6倍、大人で約3倍になっています。
- 家屋構造の変化によるアレルゲンの増加や
- 排気ガス、工場排煙などによる大気汚染
- 食品や住宅建材などの化学物質
- 長時間勤務による過労・ストレス増
などが喘息を発症させる要因の一つであり、喘息患者数増加の理由であると考えられます。
💡 日本での喘息患者さんの割合
子ども:8-14%
大人:9~10%
喘息発作が起きたときはどうする?対処法は?
喘息発作が起きたら、効果がすぐに出る発作治療薬を用いて発作をしずめましょう。
喘息の発作治療薬としてよく使用されるのは、気管支を拡張する短時間作用性吸入β2刺激薬です。テオフィリン薬を併用することもあります。
上記を使用して症状の改善がなかったり苦しくて横にもなれないほどの重症の発作の場合には救急外来受診が必要です。
喘息症状や発作治療薬の使用回数が週1回以上あれば「コントロール不十分」とされています。
喘息の発作治療薬
短時間作⽤性吸⼊β2刺激薬
サルタノール、ベネトリン、メプチン、ベロテックなど
気管支をすばやく広げ、呼吸を楽にして咳や喘息発作などを和らげる薬です。吸⼊補助器具(スペーサー)を使うと、そのまま吸⼊するより効果が⾼くなります。ネブライザーで吸⼊する場合もあります。一定の吸入回数をおこなっても症状が緩和しない場合には早急に医療機関を受診しましょう。
テオフィリン薬
テオドール、テオロング、スロービッドなど
気管支の拡張や呼吸中枢の刺激作用などにより喘息などの咳や息苦しさを改善する薬です。抗炎症作用もあります。
経口ステロイド薬
プレドニゾロン、プレドニン、メドロール、リンデロン、セレスタミンなど
吸入薬と異なり経口薬は喘息の発作時に使用します。β2刺激薬ほどの即効性はありませんが、炎症の悪化を防ぎ喘息発作を鎮める効果が高い薬です。発作後数日間継続して服用することもあります。
抗コリン薬
アトロベント、テルシガンなど
自律神経から放出される機関誌を収縮させるアセチルコリンという物質のはたらきを抑制し、気道を広げる吸入薬です。短時間作⽤性吸⼊β2刺激薬といっしょに使われることがあります。
喘息は治る?!
現在のところ、喘息を根本から治し、二度と症状が出てこなくなる薬はありません。
喘息治療のゴールは「発作が起こらない状態を長期間続けること」です。
発作が起こらない状態を長期間続けるためには、炎症を抑制する治療を毎日継続することが重要です。
治療をおこなうと徐々に咳が出なくなり、夜もよく眠れるようになります。
この時点でお薬をやめてしまう方が非常に多いのですが、気道の炎症が再度悪化しまた発作が起きてしまいます。
良くなったからと言って自己判断で薬をやめずに、必ず医師の指示に従って治療を継続しましょう。
急な喘息発作が起きた時。楽になる4つの方法
急な喘息発作が起きた時に応急処置として楽になる方法を紹介します。下記で紹介する方法はあくまでも応急処置のため、きちんと医療機関を受診するようにしましょう。
- 作業を中断し、薬を服用する
作業中に発作が起きた場合には、作業を中止しすぐに休むようにしましょう。また、すでに薬を処方されているようであれば正しく服用するようにしましょう。 - 楽な姿勢をとる
横を向いたり仰向けになったりなど、症状がマシ・楽になる姿勢で横になりましょう。横になることができない場合には椅子に座り、できるだけ楽な姿勢を探してその姿勢で休息をとりましょう。 - 常温以上の温かい飲み物を摂取する
冷たい飲み物は気道を刺激して逆効果のため、常温以上の温かい飲み物を摂取するようにしましょう。 - 腹式呼吸する
水分補給をしつつ、腹式呼吸をするように意識しましょう。同時に口を閉じ、鼻呼吸も心がけましょう。
💡普段の生活で気を付けたい7つのこと
- 喉を温める
- 辛いものなど刺激が強いものは食べないようにする
- 常温以上の温かめの飲み物で水分補給を積極的におこなう
- 睡眠時は上半身をやや高めにする
- うがいを習慣化する
- 寝室を清潔にする
- エアコンのフィルターなどをこまめに掃除する
喘息は市販薬を使用しても大丈夫?
咳が長引く自覚はあっても日々仕事や家庭生活で忙しく、なかなか医療機関を受診できない人も多いと思います。市販の咳止め薬や風邪薬で対処している方も少なくないかと思います。
市販の咳止め薬はあくまで一時的な症状を和らげるだけのものにすぎません。
喘息はただ咳が出るだけでなく、何らかの原因で気道が炎症を起こしている状態なので、適切な治療を受けずに市販薬で症状をごまかしているとどんどん症状が悪化してしまいます。
症状が長引く場合には、市販薬で対処せず必ず医療機関を受診しましょう。
喘息を放置するとどうなるの?
喘息を放置することで、慢性的な炎症が長引くと気管支が傷ついて変形し、肺の中の空気が出しづらくなっていってしまいます。そうなってしまうと喘息の症状が治りにくくなってしまい、治療をおこなったとしても効果が出づらく重症化してしまいます。
気道の炎症をきちんと治療することが大切で、発作時だけでなく毎日薬を継続する必要があります。放置は言語道断です。
また、治療も長期にわたりますが、医師の指示に従うことで喘息のコントロールができるようになり健康な人と変わらない生活が送れるようになります。
当院でも喘息の相談が可能です
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でも喘息の相談が可能です。 全院、駅前で平日はもちろん休日(土日祝)も診療しております。当院では対応が難しい場合などは責任をもって専門病院をご紹介させていただきます。
隔離室も完備しているため、感染症の多い季節も安心です。
咳が長引く、息苦しさがあるなど喘息かな?と思う症状がある場合には医療機関を受診し、専門家である医師の指示に従いましょう。
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