喘鳴(ぜんめい)
空気の通り道である気管や気管支が狭くなってしまうと呼吸時に空気が無理に通ります。
そのため、のどが笛のように鳴っている状態となり「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という呼吸音が発生します。
息を吸う際に音がする場合は鼻や喉の部分、息を吐くときに音がする際は肺の中の気管支に原因があります。
気管や気管支が狭くなる原因としては以下が挙げられます。
- アレルギーや炎症による気道の壁のむくみ
- 異物が気道内に入った
- 病気が気道内にせり出している
- 外側から気道が圧迫されている
喘鳴(ぜんめい)の原因について
喘鳴(ぜんめい)は様々な病気が原因で発症します。
大きく切り分けると「息をすう時」「息をはく時」に「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音がすることで病気を判別することができます。
息をすう時に音がする場合
アデノイド肥大
リンパ組織のアデノイドが大きくなることで空気の気道が狭まり鼻呼吸がしづらくなります。いびき、睡眠中に呼吸が止まってしまったり、中耳炎になりやすくなります。
扁桃肥大
咳や発熱が無いのに喉の奥にある扁桃腺が腫れて大きくなります。
幼児は抵抗力が低いため細菌感染などで発症する場合もあります。
幼児の場合は自然治癒がほとんどですが、大人の場合は自然に治りづらく、いびきや睡眠時無呼吸症候群などの症状が発症します。
舌根沈下
加齢による筋力低下により、重力で舌の根元が喉に落ちて気道を塞いでしまう状態です。
睡眠中はとくに筋肉が緩むため、顎が下がることで起こりやすく、いびきや睡眠時無呼吸になりやすくなります。
咽喉頭腫瘍
咽頭や喉頭に腫瘍ができることで起こります。
症状は喘鳴(ぜんめい)のほかに、声が出しづらくなったり、呼吸困難などになる場合もあります。
喉頭炎
ウィルス感染などにより喉頭が炎症を起こすことで発症します。
気管支炎や上気道の感染や炎症によるもの、胃食道逆流症の方がなることもあります。
主にのどの痛みやかゆみ、声がれなどの症状が起こります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時に呼吸が止まってしまい、朝起きても疲れが取れなかったり、喉の乾きや頭痛、昼間に強い眠気が発症します。
主な要因としては扁桃肥大や舌根沈下により気管がふさがれていることで発症します。
放置すると認知症や動脈硬化、心臓病、脳疾患、生活習慣病、その他様々な病気の原因にもなります。
不調が続くと感じた際はまず医療機関を受診することをおすすめします。
息をはく時に音がする場合
喘息(ぜんそく)
主にアレルギー性の炎症により気管支が狭くなり発症します。
肺気腫(COPD)
タバコ病とも言われ、頻繁に吸うことによって息切れや咳、痰が日常的に起こります。
放置すると酸素吸入療法が必要な場合もありますので、違和感がある場合は早期の受診をおすすめします。
気管支炎
気管支の炎症により、咳やたんが多くなる症状の総称になります。
ほとんどは数日から数週間で収まりますが、長引く場合は細菌による感染症が疑われます。
- 百日咳
- 抗酸菌、緑膿菌など
- 副鼻腔気管支症候群
- びまん性汎細気管支炎 など
咳は治りずらく、2~3週間以上の咳が続く場合、喘息や肺炎に移行する場合もあります。
肺がん
原因となる1番の要因はタバコです。
せき、たん、倦怠感、胸痛などの症状現れることもありますが、特徴的な症状は無い場合も多くあります。
違和感を感じた際は早期の受診をおすすめします。
気管支拡張症
気道の壁が傷つくことで気管支が広がったままになることで発症します。
肺や免疫系の異常がある人に多く見られ、呼吸器感染症を繰り返したり、重度な呼吸器感染症にかかることが主な原因となります。
うっ血性心不全
心臓の機能が弱まり、必要な血液を送り出せないことで血液が溜まったしまうことで発症します。
肺に水が溜まり、倦怠感やむくみの他に息切れや呼吸困難が発症します。
特に足がむくんでしまい、歩くと息切れしてしまう症状が多発する場合はすぐに受診をおおすすめします。
喘鳴は治療が必要となることがほとんどです。症状が続いてる場合はそのままにせず、受診することをお勧めします。
症状に対応する検査
- 胸部レントゲン検査