尿の泡立ち
尿の泡立ちは、何らかにより尿の粘度が高まり起きることが多いです。
病気が要因となることもありますが、運動などにより身体が水分不足になることでも起こるのです。
そのため、なにか思い当たる原因がないのに症状が気になる際は受診をおすすめします。
尿の泡立ちの原因
汗をたくさんかく暑い夏や運動後に皮膚から身体の水分が蒸発し乾燥する冬に水分が不足すると尿が濃くなり泡立つ場合もありますが、以下4つが原因の場合は受診をおすすめします。
- 尿の濃度が濃くなる
- 細菌の感染
- 糖が含まれている
- たんぱくが含まれている
基本的には水分を摂取することで解消されますが、細菌からの感染や腎臓そのものに影響がある場合は投薬や手術が必要になる場合もあります。
上記を判断する方法は以下となります。
尿検査
たんぱく、赤血球、白血球、細菌が尿に含まれていないか検査します。
採血
腎臓に異常が起こっていないか、血糖値が高くなっていないか検査します。
超音波(エコー)
腎臓の異常(萎縮や肥大化、ポリープ(できもの)の有無、石の有無など)や尿管、膀胱の異常(ポリープ(できもの)の有無、石の有無など)がないかなどを検査します。
尿の泡立ちに潜む病気について
腎臓病
腎臓の働きが悪くなる病気のことです。
腎臓は老廃物を含む血液をろ過して尿を作りますが、異常があるとたんぱく質が吸収されず、尿の中に出てしまい泡立ちの原因となるのです。
むくみや倦怠感などの症状はある程度進行してから発症するため、基本的には自覚症状がありません。
主には水分摂取量を増やすことで解消されることが多いですが、放置すると病気が進行し、腎不全となってしまい透析治療や腎臓移植が必要な状態になることもあります。
ネフローゼ症候群
血液中のたんぱく質が大量に尿へ漏れ出すことで血液中のタンパク質の濃度が薄くなる症状のことです。
主な症状は体のむくみや体重の増加、尿の泡立ち、倦怠感が挙げられます。
ネフローゼ症候群には、一次性ネフローゼ症候群と病気に伴い発症する二次性ネフローゼ症候群の2段階があります。
一次性ネフローゼ症候群は薬物療法で抑えますが、二次性ネフローゼ症候群では原因が異なるため病気に対して治療を検討してきます。
糖尿病
インスリンが不足することで血糖値が高い状態が続く病気です。
血糖値が高くなると尿中に糖が排出されてしまうため、尿の粘度が高くなり泡立つ原因となるのです。
くだもの、ジュースなどの糖分が含まれるものを摂取した後や血糖値が上がりやすい食後に尿の泡立ちが目立つ場合は糖尿病の可能性があります。
放置すると腎臓だけでなく目や神経の病気にもつながるため注意が必要です。
尿が泡立つときの対処法
尿の泡立ちが気になったら、水分を多め(1500ml/日以上)にとるように心がけましょう。そうすることで、尿の濃度が薄まり、泡立たなくなることがあります。また、尿意は我慢せず、できる限りたくさん出しましょう。尿意を我慢していると尿が濃縮されたり、細菌感染を起こしやすくなります。尿をこまめに出すことで濃度が薄まり、細菌も排出され症状がよくなることもあります。
水分をたくさん飲み、たくさん排尿しても泡立ちが改善されない場合は受診をおすすめします。
症状に対応する検査
- 尿検査