尿のにごり
身体が健康な場合、尿の色は黄色や淡い黄色です。
起床時、運動などで汗をたくさんかくと尿が濃縮され濃い黄色になりますし、病気や食事、飲んでいる薬によっても変化が起こります。
身体の状態や水分の摂取量に影響し、変化が起こりますので色がいつもと違うからといって全てが病気のサインとは限りません。ですが、危険な病気が潜んでいるものもあるため日々の尿の色を観察しておくことがとても大切です。
以下の4色だった際には注意しましょう。
赤色
血の色が混じってしまう「血尿」です。
体内の腎臓から尿道の間で出血が起きていることを知らるサインとなります。
ピンク色の場合でもこれに当てはまります。
疑われる病気
- 膀胱炎
- 尿管結石
- 前立腺炎
- 膀胱/腎臓のがん
命にかかわる病気の場合もありますので早めの受診をおすすめします。
茶色
本来の血液の色に近い茶色の尿は「脱水症状」を知らせている場合があります。
尿は血液がろ過されたものです。本来の血液の色に近いということは、血を薄める水分が不足している場合があります。
その他にも以下のような病気が疑われます。
疑われる病気
- 肝炎
- 肝硬変
肝臓が異常をきたしてしまい、赤血球に含まれる黄色の色素「ビリルビン」が混じっていることが考えられます。
白濁色
尿に膿が混じることで白色の尿が出ます。
疑われる病気
- 膀胱炎
- 腎盂腎炎(じんうじんえん)
透明
水分の過剰摂取やホルモンの異常により水分が体内に吸収されず排泄される場合、尿の量が増え色が薄まります。
疑われる病気
- 糖尿病
- 尿崩症(にょうほうしょう)
以上、主な例を紹介しましたが尿の異常を見極める場合は、まずその要因が泌尿器によるものなのかの判別が必要です。泌尿器に問題がある場合には、尿の異常だけでなく、排尿時に痛みを感じるのか、尿の回数が多いのかなど、排尿がいつもと違う場合があるのです。
異常を感じた場合はまず確認し、すみやかな受診をおすすめします。
尿のにごりの予防
病気が要因となることもありますが、食生活が原因で尿がにごってしまうこともあります。
ほうれん草、たけのこなどのアクが強い野菜やバナナ、コーヒー、紅茶、ココアなどにふくまれる「シュウ酸」を多く含む食べ物や動物性たんぱく質を過剰摂取すると尿のにごる原因となります。クエン酸やマグネシウムを多く摂取することでシュウ酸などの濃度低下につながります。果物(柑橘系)などに多く含まれているため、できる限り多めに摂取しましょう。
尿酸カルシウムが多い状態でも尿のにごりがみられることがあります。尿の中に尿酸カルシウムが多い状態が続くと、「尿管結石」の原因となってしまうこともあるので注意が必要です。プリン体を多く含む食品(ビールなどのアルコール・レバー・魚卵など)を控えるようにしましょう。
症状に対応する検査
- 尿検査
- 血液検査