コラム

子宮頸がんワクチン「シルガード9」が2023年に定期接種になる見込みです

子宮頸がんとは

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因(90%)で発症します。
HPVは、皮膚や粘膜に感染するウイルスで、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされています。
女性が若くして亡くなる原因として知られています。
「ワクチンで予防効果が期待できるがん」であるにも関わらず、あまり世の中に知られていませんでした。
以前よりワクチンはありましたが、副反応などの報告の解釈により平成25年に厚生労働省から「積極的に接種を勧奨することを、一時的に差し控える」ように自治体に勧告がだされました。
しかし、その後子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の必要性が見直され、令和3年には接種差し控えの指示が撤廃され、令和4年から順次、定期接種対象の方に予診票が自治体から郵送されるように戻りました。

2022年10月時点での子宮頸がんワクチン定期接種

対象者

小学6年生から高校1年生まで

対象ワクチン

子宮頸がんを引き起こしやすい2価のヒトパピローマウイルス(HPV16・18)をカバーする2つのワクチン(いずれか)

サーバリックス高リスクのHPV16・18の2種類をカバー
ガーダシル
(当法人ではこちらを採用)
高リスクのHPV16・18に加え、低リスクのHPV6・11をあわせた4種類をカバー

2023年に定期接種に組み込まれる「シルガード9」は9種類のウイルスをカバー

3つ目のHPVワクチンに、「シルガード9」があります。
これは、HPV6,11,16,18,31,33,45,52,58型の9種類をカバーし、より高い感染予防効果が期待されています。
これまでのHPVワクチンで約60~70%の予防ができるところ、9価ワクチン「シルガード9」では約90%を予防できます。
今までは自費診療でのみ接種されており、非常に高額な自己負担額(相場では3回接種すると10万円前後の自己負担)が必要でしたが、これが2023年より定期接種で公費負担で受けられるようになることは非常に大きなことです。
ただし局所の副反応の頻度は高く、接種部位の痛みなどが他のワクチンより多いですが、頭痛などの全身症状は同等とされています。
当院でも定期接種となり次第すみやかに採用しますので、予診票が届いたらぜひご利用ください。

作成 : 医療法人社団エキクリ医師