コラム

はしか(麻疹)の流行と特徴、原因、予防について

今年、都内でもはしか感染が確認されています。2019年のはしか感染爆発が記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。
はしかに警戒が必要な理由は感染力が非常に高いという点です。
そして、新型コロナウイルス感染症が5類に移行した今年は海外との往来が活発化し、はしかの感染リスクがここ数年より高まる可能性があります。
そんなはしかの特徴や症状、予防方法について今回は解説していきます。

はしか(麻疹)とは

はしかは、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。
麻疹ウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。
どの程度の感染力かというと、免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけでほぼ確実に感染するとされています。
基本再生産数(まわりの人に免疫がなく、対策がとられない場合、患者1人から何人に感染を広げるかを示す)は12~18とされ、2~3程度とされていた新型コロナウイルスより感染力は格段に強いと言えます。
今年の感染は、新幹線の同じ車両に乗っていた人で確認されています。

自分がどんなに気をつけていても、免疫がなければ感染者が近くにいただけで感染してしまう可能性が高い非常に恐ろしい感染症なのです。
一方でワクチン接種で予防できるという側面もあります。

はしかの症状は?

主な症状は発熱、咳、発疹です。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。
発疹はすぐに出るわけでなく症状出現後、数日経たないと出てこないため、最初のうちははしかと判断しづらいこともあります。
はしかには残念ながら特効薬がないため、対症療法での治療となります。
また、肺炎や脳炎などの合併症が引き起こされ重症化する場合もあります。特に脳炎は約1,000人に1人の割合で起き、なかには死亡するケースもあります。

海外旅行での感染に要注意

はしかは特に東南アジア地域で感染拡大が報告されています。潜伏期間も考えると海外旅行中に感染し、帰国後に発症する可能性もあります。

近年は国内での感染者数は少なかった

予防接種の導入や強化などの対策や昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で近年は海外との往来が減り、海外からのウイルス移入が減少していました。
しかしながら新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで、行動が活発になり国内で抑制されていたウイルスが旅行者の大移動によって国内移入される可能性があります。

あなたははしかの免疫がありますか?

こう聞かれたときに「ある」と即答できる方はどの程度いらっしゃるでしょうか?

まずは「抗体検査」で免疫の確認を

はしかについては2回の定期接種が義務化されたのは1990年4月2日以降です。1990年4月1日以前に生まれた人は予防接種が1回未満の世代で、免疫が不十分な可能性があります。
はしかの免疫があるかどうかわからない方、過去にワクチン接種歴があるかどうかわからない方は血液検査でできる「抗体検査」をまずは受けられることを推奨します。
抗体検査の結果、免疫が不十分な場合には予防接種で免疫をつけましょう。

はしかの予防接種に関して

現在、日本でははしかと風疹の混合ワクチンであるMRワクチンの接種が主流となり、MRワクチンでは1回の接種で95%程度の人がはしか・風疹に対する免疫を獲得できると言われています。
また、仮に1回の接種で免疫がつかなかったとしても2回の接種でほぼ全員に免疫をつけることができます。

接種率が落ちている?!

MRワクチンは2006年度から1歳児と小学校入学前1年間の小児に対して2回接種制度が導入されています。

厚生労働省と国立感染症研究所感染症疫学センターの『麻しん風しんワクチン接種状況』によると、第1期(1歳児)MRワクチンの全国平均接種率は2019年度が95.4%、2020年度が98.5%だったのに対し、2021年度は93.5%と低下していました。流行を防ぐためには第1期・第2期ともに95%以上の接種率が望ましいと言われているため、2回のMRワクチン接種を確実におこないましょう。

免疫はなくなる?!

また、個人差はありますが予防接種を受けていても経年で免疫が低下している可能性があります。
罹患歴がなく、抗体価を測定されたことがない方はまずは抗体検査を受けられることを推奨します。
1990年4月1日以前に生まれた方は特に抗体検査を受けられて免疫が不十分な場合にはワクチンを接種しましょう。

当院の抗体検査費用・MRワクチン費用

ワクチン名回数費用(税込)
MRワクチン111,000円
検査名費用(税込)説明
麻疹抗体検査(EIA法)5,500円血液検査で麻疹の抗体価を調べます。
風疹抗体検査(EIA法)
風疹抗体検査(HI法)
5,500円血液検査で風疹の抗体価を調べます。
感染症抗体検査セット13,200円血液検査で麻疹・風疹・水痘・おたふくの抗体価を調べます。
血液検査の結果は1週間程度で判明します。結果確認にお越しください。

エキクリ各院でも抗体検査・ワクチン接種が可能です。

新型コロナウイルスの流行が落ち着き、海外との交流が活発になる今、予防できる病気はしっかりとワクチンで予防しましょう。

当院では、土日祝含む毎日、抗体検査や予防接種の対応をおこなっております。
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ご予約の際には「自費診療・ワクチン・プラセンタ注射」をご選択ください。