コラム

コレステロールを下げる食事のポイント8選|取り入れたい食品一覧も

コレステロールを下げる食事のポイントは、脂身の多い肉や油物、加工食品を避けて、魚や野菜、大豆食品を中心とした栄養バランスのよい食事内容にすることです。本記事では、悪玉コレステロールを下げる食事のポイント8選を中心に、取り入れたい食品や避けたい食品、参考レシピなどを解説します。

そもそも悪玉(LDL)コレステロールが高いとどうなる?

血液中のコレステロールが上昇すると、血管に脂質が付着して動脈硬化(どうみゃくこうか)が進行します。動脈硬化とは、継続的に血管へダメージが加わることで弾力性を失う状態のことです。

動脈硬化が進行すると、徐々に血管が狭くなり血液の流れが悪くなります。そして、狭心症(きょうしんしょう)や心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳梗塞(のうこうそく)などの合併症リスクが高まります。

動脈硬化を予防するには、コレステロールだけでなく、中性脂肪(トリグリセライド:脂肪のこと)を下げることも大切です。中性脂肪が改善すれば、善玉コレステロール(細胞や血管の余分なコレステロールを取り除く脂質)が増えることも期待できます。

悪玉コレステロールを下げる食事のポイント8選 

コレステロールを下げる食事のポイント8選は下記の通りです。

  1. 食物繊維が豊富な野菜や海藻をたくさん食べる
  2. 脂身の多い肉や油物を控えて魚や大豆食品を食べる
  3. 油類は植物由来のものを使用する
  4. 卵・魚卵・内臓類を控える
  5. お菓子や加工食品を控える
  6. 朝食は和食にする
  7. 食事の量や時間に注意する
  8. コンビニや外食でも工夫をする

それぞれの詳細を解説します。

1.食物繊維が豊富な野菜や海藻をたくさん食べる

野菜やきのこ類、海藻類、豆類、雑穀類などに多く含まれる食物繊維は、血液中のコレステロールを下げる効果が期待できます。

ほかにも、野菜などに含まれるビタミンやカリウムなどは、動脈硬化を予防したり血圧を安定させたりする効果を期待できます。一日の食物繊維の摂取目安は20〜25g、野菜にすると350gです。

2.脂身の多い肉や油物を控えて魚や大豆食品を食べる

コレステロールを下げるためには、脂身の多い肉や油物を控えて、脂質の少ない魚介類や大豆食品を摂ることが大切です。青魚などに豊富に含まれるDHAやEPAは、血液の流れをよくして動脈硬化を予防する働きも期待できます。

1日1回または週に3回程度は青魚を取り入れましょう。大豆製品においてもイソフラボンによるコレステロールの改善効果が期待できます。肉類を食べる場合は、過度な摂取は控えて脂身を避けるようにしましょう。

3.油類は植物由来のものを使用する

ラードや牛脂、バターには飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん:コレステロールを上げる働きがある)が含まれているため過度な摂取は控えましょう。

一方、オリーブ油などに含まれる不飽和脂肪酸は、コレステロールの低下効果を期待できます。油の使用目安は1日大さじ1杯ほどで良いでしょう。ドレッシングやマヨネーズにも油が豊富に含まれるため使いすぎに注意してください。

4.卵・魚卵・内臓類を控える

鶏卵や魚卵、内臓類はコレステロールを多く含んでいます。レバーなどの肉の内臓だけでなく、魚の内臓にもコレステロールは多く含まれているため、丸ごと食べるめざしやしらすなどには注意が必要です。

5.お菓子や加工食品を控える

下記のような食品にはトランス脂肪酸が含まれるため避けましょう。

  • マーガリンやショートニングなどを使用した菓子パンやケーキ
  • ポテトチップスやフライドポテト、インスタントラーメンなどの加工食品
  • クッキーやドーナツ、クラッカー、ビスケットなどの焼き菓子

トランス脂肪酸とは、植物油を加工する際に生成される脂肪酸の一種で、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあります。

6.朝食は和食にする

和食は動物性の脂質が少ないのが特徴です。また、和食の代表的なおかずである煮魚や焼き魚、味噌汁、漬物は、コレステロールを下げる効果が期待できる魚や大豆、野菜などを効率よくとることが可能です。朝食など1日1回は和食を取り入れるとよいでしょう。

7.食事の量や時間に注意する

コレステロールを下げるためには、食事の量はもちろんですが、食事をとる時間やタイミングも注意すべき点です。食事は3食バランスよく食べて、夕食の量を多くしないことが大切です。

朝食などを抜いてしまうと、一日の空腹の時間が長くなり脂肪を蓄えやすくなります。また、就寝の2時間以内の食事も脂肪を蓄えやすいため注意してください。

8.コンビニや外食でも工夫をする

外食やコンビニの食事は脂質を多くとってしまいがちで、コレステロールが高くなる原因になります。コンビニや外食でも下記のように組み合わせを工夫しましょう。

推奨できない組み合わせ推奨できる組み合わせ
ファーストフードてりやきバーガー+ファンタ+フライドポテトハンバーガー+サラダ+水
コンビニ明太子おにぎり+カップラーメンしゃけおにぎり+おでん
中華料理店ラーメン+チャーハン+からあげ野菜ラーメン+バンバンジー

組み合わせに気をつけているからといって、頻繁に外食やコンビニで食事を済ませるのは控えましょう。

【一覧表】悪玉コレステロールを下げるための食事に取り入れたい食品

コレステロールを下げるための食事に取り入れたい食品は下記の通りです。 

食品名
野菜類さつまいも、切り干し大根、かぼちゃ、ごぼう、たけのこ、ブロッコリー、モロヘイヤ、にんじん、ほうれん草、春菊、オクラ
きのこ類しいたけ、エリンギ、なめこ、しめじ、ひらたけ、きくらげ、まつたけ
海藻類ワカメ、ヒジキ、昆布、ガゴメ
穀物類玄米、胚芽米、麦ご飯、全粒粉パン、そば、ライ麦パン
豆類豆腐、味噌、納豆、おから、きなこ、ゆば、枝豆、豆乳、
魚類サバ、サンマ、イワシ、アジ、ニシン、ブリ、マグロ、ハマチ
植物油オリーブ油、大豆油、ひまわり油、キャノーラ油

【一覧表】悪玉コレステロールを下げる食事のために避けたい食品

下記の食品は脂質などが多く含まれているため、コレステロールが高い人は避けた方がよいでしょう。

食品名
卵・魚卵鶏卵、たらこ、数の子、いくら、しらこ、すじこ
魚介類ウニ、あん肝、ちりめんじゃこ、わかさぎ、イカ
内臓類レバー、マメ(腎臓のこと)
肉類鶏の皮、牛バラ肉、豚バラ肉、サーロイン、スペアリブ
油・調味料ラード、マヨネーズ、牛脂、ドレッシング
加工食品ウインナー、ベーコン、カレールー、フライドポテト、カップラーメン
乳製品ココナッツミルク、チーズ、バター、牛乳、ヨーグルト
菓子類ポテトチップス、チョコレート、ケーキ、ドーナツ、ビスケット

【レシピ】悪玉コレステロールを下げる食事内容 

ここでは、コレステロールを下げるための調理の工夫と簡単な食事メニューについて解説します。

調理の際の工夫

調理をする際は、下記の点に注意するとコレステロールの増加を抑えられます。

  • 脂身や鶏の皮など目に見える脂質は取り除く
  • 肉類は豚もも、鶏のささみ、鶏の胸肉など脂質の少ないものにする
  • 油の使いすぎに注意して、こまめに余分な油は拭き取る
  • 「茹でる」「煮る」「蒸す」など油を使わない方法で調理する
  • 肉料理と魚料理の割合は1対2にして、魚料理の頻度を多くする

上記のことを日々注意することで、余分な脂質の摂取を避けられ、コレステロールの低下につながります。

簡単な食事メニュー

厚生労働省の動脈硬化を防ぐ食生活で紹介している、コレステロールの吸収を和らげる簡単な食事メニューを解説します。

材料(1人前)作り方
白菜の重ね煮白菜:3枚ほど
豚ももの薄切り:75g
しょうが:少々
白ネギ:1/4本
しいたけ:1枚
人参:20g
だし昆布:適量
水:20〜30ml
ブイヨン:1/2個
塩、こしょう:適量
1.白菜を葉と軸に分ける
2.軸は包丁を寝かせるようにして切る
3.豚肉を1口大に切る
4.しいたけと人参を細切りにする
5.白ネギを斜めに細切りにする
6.大鍋にだし昆布を敷いて、白菜の葉→豚肉→おろし生姜→白ネギ→しいたけ→人参→白菜の軸の順番で重ねる
7.2〜3回重ねるのを繰り返したあとに水とブイヨンを入れる
8.20分ほど煮て、塩・こしょうで味を整える
9.一口大に切って皿に盛り付ければ完成
切り干し大根のハリハリ漬け切り干し大根:10g
昆布:2g
生わかめ:5g
白ごま:小さじ1/2
酢:大さじ1
みりん:小さじ1
砂糖:小さじ1
醤油:大さじ1
ゆず:適量
1.切り干し大根をよく洗い水に浸ける
2.切り干し大根が戻ったら、熱湯に通して水気を切っておく
3.昆布はハサミで千切りにする
4.生わかめを一口大に切る
5.白ごまをすって、酢、みりん、砂糖、醤油を合わせる
6.合わせた調味料と切り干し大根、昆布、生わかめを混ぜて漬けておく
7.ゆずの皮をそぎ千切りにする。実はしぼっておく
8.漬けておいたものを皿に盛り付けて、ゆずの皮と汁をふりかけて完成
出典:厚生労働省 動脈硬化を防ぐ食生活

悪玉コレステロールを下げる食事内容に関する2つの疑問

ここでは、悪玉コレステロールを下げる食事内容に関する下記の2つの疑問について解説します。

  1. 中性脂肪も下げることができる?
  2. 食事に注意したら善玉コレステロールは増える?

中性脂肪と善玉コレステロールも意識して、健康的な食生活を送りましょう。

1.中性脂肪も下げることができる?

基本的にコレステロールを下げる食事は、中性脂肪の改善も期待できます。特に中性脂肪を下げたいのであれば菓子類や清涼飲料水、果実、アルコール、穀物類の過度な摂取を控えてください。

DHAやEPAが豊富に含まれる青魚を積極的に摂れば、中性脂肪の改善が期待できるでしょう。

2.食事に注意したら善玉コレステロールは増える?

善玉コレステロールを改善するには、中性脂肪を下げることと肥満を解消する必要があります。

特にマーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は、善玉コレステロールを低下させるため過度な摂取には注意してください。

悪玉コレステロールを下げる食事で健康的な生活を送ろう

コレステロールを下げるための食事内容は、野菜や海藻、大豆食品、青魚などをバランスよくとることです。肉類や魚卵、加工食品などは、過度な摂取を避けて食べる頻度も少なめにしましょう。

コレステロールが高い状態を放置したままにすると、動脈硬化が進行して合併症のリスクが高まります。コレステロールを下げるための食事内容は、1日に必要なエネルギー量やコレステロール量の計算など難しい部分もあります。医師や栄養士に相談して適切な食事指導を受けましょう。

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