コラム

健康診断で高血圧を指摘されたら?原因・対策・治療について解説

「健康診断で血圧が高め・高血圧と言われたけどどうすればいいの?」

そんなお悩みで当院を受診される方も増えてきています。 高血圧は通常、自覚症状もなく健康診断で指摘されて初めて自覚される方が多い疾患ですが、実際に高血圧を指摘されたときにどのような行動をとればよいのか困っている方も多いと思います。 今回は、健康診断や人間ドックで高血圧を指摘されたときにとるべき行動や対処方法、そもそも高血圧とはなんぞやという点について解説します。高血圧を指摘されて困っている方はぜひご覧ください。

高血圧とは

高血圧と言われる基準は、日本高血圧学会で「収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合」とされています。これは病院や健康診断で測定した場合の基準で、自宅で測定する場合には135/85mmHgが基準値とされています。

血圧は常に変動しているので1回だけの測定で高血圧と診断することはなく、少なくとも2回以上測定しても基準値を超える場合に高血圧と診断されます。

健康診断や人間ドックで高血圧を指摘されたときにとる行動5つ

健康診断で高血圧を指摘されたら、まずは「生活習慣の改善」をおこなうことが必要です。
高血圧は生活習慣病の1つなので、日々の生活習慣を見直し・改善することで血圧を下げることに効果があることがあります。

1. 医療機関受診

高血圧を指摘されたら内科か循環器内科を受診し、専門家に相談する必要があります。大病院でもクリニックでも問題ありませんが、予約が取りやすく通いやすいクリニックをまずは受診すると良いです。家庭での血圧測定もおこないましょう。症状がないから大丈夫という油断は禁物です。

2.減塩

食塩の摂取量を減らす「減塩」が大切です。1日の食塩摂取量を6g未満にしましょう。
日本人は醤油や味噌・漬物などの食塩含有量の多い調味料・食材等を摂取することも多いため平均食塩摂取量は10.1gと高くなっています。
そんなに食塩を摂取している自覚がなくても6g以上摂取してしまっている方がほとんどなので、意識して減塩に取り組む必要があります。

3.体重減量

減量をおこない、適正体重にすることも高血圧改善のために重要です。肥満の方は体重減少に取り組みましょう。BMI:体重(kg)÷身長(m)の2乗が25以上の場合は肥満で、高血圧発症リスクもBMI20未満の方と比較して1.5~2.5倍程度は高くなると言われています。
BMI25未満を目標に減量に取り組んでください。

4.節酒・禁煙

アルコールの少量摂取は血圧低下を起こすこともありますが、長期の飲酒は高血圧の原因にもなります。飲酒習慣のある方は、摂取量や飲酒する日を減らすようにしましょう。(1日の飲酒量は日本酒なら1合以下、ビールなら中瓶1本以下、ワインなら2杯以下にとどめましょう)
また、タバコは高血圧を引き起こす要因の1つとされています。ニコチンには血管を収縮させ血圧を上げる働きや動脈硬化のリスクを上げる原因にもなります。
高血圧治療には節酒と禁煙もセットと認識しましょう。

5.適度な運動と十分な睡眠

運動は血圧を下げるのに効果的です。運動習慣のない方は特に有酸素運動をおこなう習慣をつけましょう。1回あたり10分以上の運動を1日合計40分以上おこなってみましょう。
いきなり毎日長時間の運動は難しいかもしれませんが、少しずつ継続しておこなっていくことが大事です。
また、睡眠不足や睡眠障害は高血圧発症のリスクになります。睡眠不足は自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こすので十分な睡眠をとることも重要です。
睡眠時無呼吸症候群を指摘されている方は治療をおこないましょう。

高血圧の原因は?5つ紹介

生活習慣病と言われている高血圧。高齢の方の病気のイメージがあるかもしれませんが、20歳以上の日本人のうち約2人に1人は高血圧であると言われています。高齢の方のみならず若年者にも注意が必要な病気です。そんな高血圧の原因は何でしょうか?

1.食習慣や運動習慣などの生活習慣

日本人の高血圧の原因は、食塩の過剰摂取にあるとされています。食塩を摂取すると一度に押し出す血液の量が増えて血圧が高くなってしまいます。

2.ストレス

意外かもしれませんがストレスも要因です。自律神経のバランスが乱れて血圧が上がりやすくなります。ストレスがかかることで高血圧発症リスクが2倍以上も高くなるともいわれています。ストレスをかけすぎない・きちんと発散することが重要です。

3.加齢

加齢によって血管の弾力性が低下するため、高血圧を発症しやすくなります。

4.遺伝

高血圧には大きく2つあり、原因なく起こる本態性高血圧と何らかの原因で血圧が高くなってしまう二次性高血圧があります。本態性高血圧は生活習慣のみならず遺伝も関係があります。遺伝が高血圧に寄与する割合は30~70%とされています。

5.他の病気

甲状腺の病気や原発性アルドステロン症などの何らかの病気が原因で高血圧になる場合を二次性高血圧と言います。何か他の病気が原因で高血圧になっている場合には、その病気の治療をしっかりとおこない、血圧コントロールも行っていく必要があります。

💡 こんな方は要注意!
①濃い味付けが好きだ
②麺類のスープが好きでよく飲む
③外食の頻度が多い(週4日以上)
④野菜はあまり食べない
⑤満腹になるまで食事を摂る
⑥血糖値やコレステロール値(脂質)が高めだ
⑦BMI25以上だ
⑧運動習慣がない
⑨喫煙習慣がある
⑩ストレスを感じやすい

👆 ワンポイントアドバイス
加齢に伴い血圧は高くなるものですが、日本では30~40歳代の若い世代でも2~3割の人が高血圧状態で、80~90%もの人が治療を受けていないと言われています。
若いうちから高血圧で長期間放置していると、血管の劣化も進みいきなり脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクがあります。若い世代は、食生活改善などの生活習慣の見直しで血圧を下げやすいので、高血圧をしてきされたら早めに受診し医師の指示に従うようにしましょう。若いから大丈夫と放置は禁物です。

健康診断や病院でだけ血圧が高い

よくあるのは、家で測ったら正常血圧なのに、病院や健康診断で測ったら血圧が高いという方です。これはどういうことなのでしょうか?

1.白衣性高血圧

病院や健康診断で測るときだけ血圧が高くなるのは「白衣性高血圧」の可能性があります。これは、病院などで測った時は高血圧だけどそれ以外の場所で測ったら高血圧ではない状態のことを言います。特に高齢の方でその割合が増加し、病院や健康診断で測定した血圧が140/90mmHg以上の方の15~30%が白衣性高血圧にあたるとされています。

白衣性高血圧は診察時のみ一時的に血圧が上がる状態で「ちょっと緊張しただけ」と楽観的にとらえられがちですが、血圧が上がることのない方と比較すると中長期的にみて脳心血管病のリスクが高いため注意が必要です。毎日家での血圧測定をおこないましょう。

2.仮面高血圧との違い

仮面高血圧という言葉もあり、白衣性高血圧と似ているようですが少し違います。 仮面高血圧は、白衣性高血圧とは真逆で診察室等での血圧は正常の範囲内であっても自宅やそれ以外の場所で測定すると高血圧の状態です。仮面高血圧の方は高血圧でない方よりも臓器障害や脳心血管病のリスクが明らかに高くなると言われています。

喫煙者やアルコールを多量摂取する方、肥満やメタボリックシンドロームの方などで仮面高血圧の方が多いと言われています。該当する方は家でも血圧を測る習慣をつけることが大切です。

高血圧を放置するとどうなるの?

高血圧がなぜ良くないのかというと下記のような病気のリスクが高まるからです。

  • 動脈硬化
  • 狭心症・心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 大動脈瘤
  • 心不全
  • 眼底出血

など

高血圧には自覚症状がないので、健康診断などで初めて指摘されて気づく方がほとんどです。また、自覚症状がないために指摘されても放置してしまう方が多いのが現状です。
しかしながら、高血圧はこのような病気のリスクを高め、身体をむしばんでいきます。
高血圧を指摘されたらきちんと医療機関を受診し、医師の指示に従いましょう。

当院でも高血圧の相談・治療が可能です。

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  • 京急大森町駅前の大森町駅前内科小児科クリニック
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  • 川崎駅前の川崎駅東口内科クリニック・アレルギー科・小児科

でも高血圧の診察・治療が可能です。

全院、駅前で平日はもちろん休日(土日祝)も診療しておりますので高血圧の定期通院の際にも便利です。また、生活習慣病の治療経験が豊富な医師や循環器内科を専門とする医師が在籍しておりますので安心してご相談いただけます。隔離室も完備しているため、感染症の多い季節も安心です。

健康診断などで高血圧を指摘されたらできるだけ早めに医療機関を受診し、専門家である医師の指示に従いましょう。高血圧は自覚症状がなくても確実に進行していきます。


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