コラム

MRワクチンとは?効果や接種時期、副反応について徹底解説! 

MRワクチンとは、麻疹(ましん)と風疹(ふうしん)を予防する混合ワクチンです。罹患歴やワクチン接種歴がはっきりしない場合には抗体検査をして、接種必要のあるなしを判断しましょう。ここでは、MRワクチンの効果、接種時期、副反応などについて解説します。

MRワクチンとは?

MRワクチンとは、麻疹と風疹を予防するワクチンです。

麻疹とは麻疹ウイルスによって起こる急性全身感染症です。感染力が強いので、空気感染で広がります。発症すると中耳炎や肺炎なども一緒に起こりやすく、先進国でも1,000人に1人が死ぬと言われています。

風疹とは風疹ウイルスによって起こる急性感染症です。飛沫感染で広がりますが、症状は人によってまちまちです。症状が現れない場合もありますが、大人がかかると子どもより重くなると言われています。

MRワクチンの定期接種が現在の2回接種になったのは、2006年6月からなので、世代によって接種状況はいろいろです。ワクチン接種で予防できる疾患ですが、接種歴や罹患歴が分からない場合には抗体検査をして接種の必要性を判断する方法もあります。

MRワクチンの効果

ここでは、MRワクチンの効果について解説します。

2回接種で97%以上の抗体獲得率

MRワクチンは、1回目の接種で95%以上の人が麻疹と風疹の免疫を獲得できるとされています。さらに、2回目の接種をすることで、1回目で十分な免疫がつかなかった人も免疫を得られ、免疫の獲得率は97%から99%以上に高まります。また、2回目の接種には、時間経過で免疫が低下した人への免疫増強の効果もあります。

72時間以内の接種なら発症防止できるかもしれない

免疫が不十分であるにもかかわらず、麻疹の患者さんと接触してしまった場合、72時間以内にワクチンを接種すれば麻疹の発症を防止できる可能性があります。

MRワクチンの接種時期は?

ここでは、MRワクチンの接種時期について解説します。

1.定期接種

MRワクチンの定期接種は2回で、時期は以下のとおりです。

  • 第1期:生後12~24か月の間
  • 第2期:5歳以上7歳未満で、小学校入学の前年度

定期接種の実施主体は市町村です。予防接種法に基づく公費による接種なので、費用はかかりません。

2.風疹の追加対策

風疹ワクチンの公的予防接種が実施されていない年代(昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性)で風疹抗体検査の結果、ワクチン接種が必要とされた人が対象です(2024年度まで)。風疹予防のためですが、使うのはMRワクチンです。

3.任意接種

接種を希望する場合には、かかりつけ医に相談しましょう。流行時にかかったことが明らかな人や免疫を持っていることが明らかな人以外は接種することが望ましいとされています。自治体によっては助成事業をしていることもあるので、確認してみましょう。

日本小児科学会発行の「知っておきたいわくちん情報」によると、定期接種対象年齢に達しない6〜11か月で接種しても、免疫獲得が十分ではないので、接種回数に数えないとあります。何らかの理由で0歳時に接種する場合には、その後のMRワクチンをいつ受けるかについても、医師に相談することをおすすめします。

MRワクチンの副反応

発熱や発疹のようなワクチンの一般的な副反応以外に特記すべきものはありません。けいれんなどを起こした場合には、ワクチンとの関連の有無にかかわらず、医療機関を受診してください。MRワクチンは2つの弱毒化したウイルスを含む生ワクチンですが、麻疹ワクチンや風疹ワクチンの単独接種と比較して副作用が強いということはありません。

MRワクチンのQ&A

ここでは、MRワクチンのよくある質問について、回答します。あなたの疑問が解決する可能性があるので、読んでみてください。

Q1.妊婦がかかるとどうなりますか?

免疫のない妊婦が麻疹にかかると流産や早産をしてしまいます。妊婦、特に妊娠20週頃までの女性が風疹にかかってしまうと、胎児も感染し、目、耳、心臓などに先天性の病気を持って産まれる可能性があります。この病気が先天性風疹症候群です。

妊婦はMRワクチンを接種できません。胎児を流産や早産、先天性風疹症候群から守るためには、家族を含めた周囲の人々が免疫があるかどうか確認することが大切です。免疫がない場合にはワクチンを接種しましょう。

Q2.ワクチン接種を受けた方が良いのはどのような人ですか?

定期接種の対象者(1歳児、小学校入学の前年度の幼児)は、積極的勧奨の対象者です。この時期にない人で、以下のような人は接種をした方が良いとされています。

  • 罹患歴やワクチン接種歴がない人
  • 平成12年4月1日以前に生まれた人:定期接種として1回機会があったか、もしくは機会がなかった
  • 流行国へ行く人
  • 福祉施設や学校、医療機関で働いている人:罹患リスクが高く、罹患すると周囲への影響が大きい人

該当する人はかかりつけ医師に相談してください。

Q3.麻疹予防にMRワクチンを接種しても健康には影響しませんか?

麻疹予防のためにMRワクチンを接種しても、健康への影響はありません。風疹の予防や追加免疫になるメリットがあります。

エキクリでのMRワクチン費用は?

エキクリでのMRワクチンを任意接種する場合の費用は、11,000円(税込)です。

該当者はMRワクチンを接種しよう!

MRワクチンの効果、接種時期、副反応などについて解説してきました。MRワクチンとは、麻疹と風疹を効果的に予防する重要なワクチンです。罹患歴やワクチン接種歴がはっきりしない場合には抗体検査をして、接種必要の有無を判断しましょう。

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