感染症ごとのワクチン

高山病

高山病について

原因

高山病は標高が高い地点で酸素が欠乏することによって引き起こされる病気です。 人間の体は、呼吸数や心拍数を増やしたり、赤血球の生産を増やして組織に酸素を多く供給することで、徐々に高地に適応していきます。しかしなら、急速に高度を上げてしまったり、過度な運動をおこなうことで高山病のリスクが上昇します。 1,500~2,000mであれば1日で問題なく上ることができますが、2,500m登るとなると約20%、3,000m登ると約40%の人に何らかの高山病の症状が出現します。高山病を放置し重症化すると高所肺水腫・高所脳浮腫になる可能性もあります。 以前に高山病に罹ったことのある人や、海抜0mレベル等標高が低い場所で普段生活をしている方の場合もリスクが高くなります。

症状

高度を上げてから6~10時間以内に、浮腫、頭痛、ふらつき感、食欲減退、嘔気・嘔吐、疲労、脱力、易怒性、睡眠障害等が出現します。二日酔いのような症状です。通常1日~2日程度続きます。 重症化すると、息切れ、錯乱、血痰、微熱、チアノーゼ、運動失調などの症状を経て昏睡状態に陥り、死に至る可能性も出てきます。

渡航の際の注意点

高山病予防のためにはとにかくゆっくりと登ることが重要です。睡眠時の標高が重視されています。高山病の症状が出現した場合には、登るペースを落としましょう。 また、到着後1~2日間は激しい運動を控えると高山病の予防に役立ちます。消化の良い食事を適量、複数回に分けて摂り、アルコールや鎮静薬は控えるようにしましょう。3,000m以上の山に登る場合には、特に高山病予防薬の内服も推奨されます。チベットや南米では、標高3,000〜4,000mの高地にある都市、ラサ、クスコ、ラパスなどへは、飛行機で直接行くことがあります。突然の変化に身体が十分に適応できず、高山病になるリスクが高いため注意が必要です。

当院で処方可能な薬剤

高山病予防薬(ダイアモックス)

料金550円 / 錠
※ 計2,200円
※4日分を1セットとして処方します。
税込表記
服用回数1日2回を4日内服(到着日の前日+到着後3日間)
接種方法内服

副作用

手足の震え、味覚の変化・耳鳴、頻尿等の症状が出現する可能性があります。 高血圧や心臓病の治療を受けている方、てんかんの治療中の方は注意が必要です。

服用できない方

  • ダイアモックスに含まれる成分またはスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある方
  • 無尿や急性腎不全の方
  • 肝硬変等の進行した肝疾患または高度の肝機能障害のある方
  • 高クロール血症性アシドーシス、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している方、副腎機能不全・アジソン病の方
  • 妊娠中の方
  • 小児の方