感染症ごとのワクチン

A型肝炎

A型肝炎について

感染経路

A型肝炎ウイルスに汚染された食物や水などを摂取することで感染する経口感染や、A型肝炎患者の糞便から感染する糞口感染が主な原因の急性肝炎です。また、性行為や輸血による血液感染もあります。

症状

潜伏期間は2~7週間程度です。食欲不振、全身倦怠感、腹痛、嘔気・嘔吐、発熱、下痢、黄疸(眼球の白い部分や全身の皮膚が黄色くなる)などがみられ、1~2か月の治療が必要です。 小児の場合、感染しても軽症の場合が多いですが、成人では多くの場合黄疸などの症状がみられます。 感染者の約1%は劇症肝炎となり急性腎不全をきたすこともあります。A型肝炎には持続感染はみられず、慢性肝炎への移行もみられません。 致死率は0.1~0.3%ですが、年齢が高いほど重症化し、50歳以上では1.8%に達します。

A型肝炎のリスクのある地域

https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name01.html

世界中でみられますが、衛生状態が悪く飲用水の管理が悪い地域でのリスクが高くなります。

渡航の際の注意点

経口感染する感染症は、たとえ数日間の滞在であっても感染する可能性があります。 A型肝炎ウイルスは世界中に分布しており、途上国で蔓延しているだけでなく、先進国でも流行することがあります。

先進国での流行

2002年中国において日本人渡航者の集団発生
2009年オーストラリア、フランス、オランダなどでセミドライトマトに関連した集団発生
2012~2013年北ヨーロッパで冷凍イチゴに関連した集団発生
2016年ハワイでの集団発生 途上国だけでなく、先進国へ渡航する際も、A型肝炎の予防を心掛ける必要があり、一番の予防策としてワクチン接種が推奨されています。

予防方法

  • A型肝炎ワクチン接種
  • ミネラルウォーターや沸騰させた水、加熱調理してあるものを食べる
  • 屋台など衛生状態が悪い場所での飲食は避ける
  • 生野菜やカットフルーツは避ける

当院で接種可能なワクチン

A型肝炎ワクチン(エイムゲン)

料金7,700円 / 回
税込表記
適応年齢1歳以上
接種回数3回(初回から2~4週間後に2回目、初回から半年後に3回目を接種する)
接種方法皮下or筋肉注射
持続期間5年程度

副反応

注射部位の疼痛・発赤・そう痒感・腫脹・硬結・圧痛などがあります。その他、発熱・倦怠感・頭痛・頭重感・下痢・熱感・全身筋肉痛などが出現することがあります。 これまでに重篤な副反応の発生は認められていません。

予防接種を受けられない方

  • 明らかに発熱のある方
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
  • 過去にA型肝炎ワクチンの接種を受けてアナフィラキシーを起こしたことがある方
  • その他医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方

予防接種に際し、医師とよく相談が必要な方

  • 心臓病・腎臓病・肝臓病・血液疾患などの基礎疾患がある方
  • 発育が遅く医師・保健師の指導を受けている方
  • 風邪等の体調不良の方
  • 予防接種を受けたときに、2日以内に発熱がみられた方及び発疹・蕁麻疹などのアレルギーを疑う症状が出現した方
  • 薬の投与又は食事で皮膚に発疹が出たり、体に異常をきたしたことのある方
  • 今までに痙攣を起こしたことがある方
  • 過去に本人や近親者で、検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある方
  • 妊娠中又は妊娠の可能性のある方