感染症ごとのワクチン

B型肝炎

下記ページでもB型肝炎とB型肝炎ワクチンについて詳細に解説しています。

B型肝炎について

感染経路

血液を介しての感染及び性行為感染が主な感染経路です。人の血液または体内にB型肝炎ウイルス粒子が含まれ、ウイルスが含まれた血液や体液が皮膚や粘膜の傷から体内に侵入することで感染します。無防備な性行為や衛生環境の整っていない医療機関での医療行為がリスクとなります。

症状

3~5ヶ月の潜伏期間ののちに、全身倦怠感、発熱、悪心・嘔吐、黄疸等の急性肝炎を発症します。1%程度は劇症化して昏睡、死亡に至ることがあります。また、劇症化しなかった場合も慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がんの原因となることがあります。70~80%は症状があらわれない不顕性感染で終わる場合もあり、気づかない間にB型肝炎に罹患していたということもあります。

B型肝炎のリスクのある地域

https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name01.html

世界中で発生しています。

渡航の際の注意点

2017年のWHOの情報によると全世界のB型肝炎感染者数は約2億6,000万人とされており、その多くがアジア、アフリカ諸国に分布しています。日本を含む多くの先進国では医療機関での器具の消毒や輸血血液の安全性が徹底されており、医療行為に伴うB型肝炎ウイルスの感染はほとんどありません。しかしながら、発展途上国においてはまだまだ整備が進んでおらずリスクがあります。

ワクチン接種を推奨する方

  • 渡航中に現地の医療機関を受診する可能性がある方
  • 救済活動や血液を扱う業務に従事する方
  • 刺青を入れる・ピアスを開けるなどの可能性がある方
  • 危険なスポーツや活動をする方
  • 渡航先で性行為の可能性のある方

上記のような方には強くワクチン接種を推奨します。また、不特定の人との性行為は避け、コンドームは正しく使用しましょう。発展途上国では医療器具が汚染されていることがあるため安心できる医療機関を確認しておきましょう。

当院で接種可能なワクチン

B型肝炎ワクチン(ビームゲン)

料金5,500円 / 回
税込表記
適応年齢指定なし(10歳未満の場合、0.25mL投与)
接種回数3回(初回から4週間後に2回目、初回から20~24週間後に3回目を接種する)
接種方法皮下or筋肉注射
持続期間5年以上

副反応

注射部位の疼痛、腫脹、硬結、発赤、そう痒感、熱感などがあります。過敏症として、発熱、発疹、湿疹、掻痒感、蕁麻疹。筋・骨格系として、関節痛、筋肉痛、関節炎、肩こり、背部痛、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等。消化器系として、嘔気、下痢、食欲不振、嘔吐、腹痛。精神神経系として、頭痛、眠気、目眩、痙攣、しびれ感、倦怠感、違和感、悪寒、血小板減少症が現れることがあります。またショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群が起こる可能性があります。

予防接種を受けられない方

  • 明らかに発熱のある方
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
  • 過去にB型肝炎ワクチンの接種を受けてアナフィラキシーを起こしたことがある方
  • その他医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方

予防接種に際し、医師とよく相談が必要な方

  • 心臓病・腎臓病・肝臓病・血液疾患などの基礎疾患がある方
  • 発育が遅く医師・保健師の指導を受けている方
  • 風邪等の体調不良の方
  • 予防接種を受けたときに、2日以内に発熱がみられた方及び発疹・蕁麻疹などのアレルギーを疑う症状が出現した方
  • 薬の投与又は食事で皮膚に発疹が出たり、体に異常をきたしたことのある方
  • 今までに痙攣を起こしたことがある方
  • 過去に本人や近親者で、検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある方
  • 妊娠中又は妊娠の可能性のある方