百日咳について
感染経路
百日咳菌によって引き起こされる急性の気道感染症です。咳やくしゃみなどによる飛沫感染や咳やくしゃみをした際におさえた手で何かに触りそこから接触感染する場合もあります。新生児や乳児早期では重症化し、肺炎や脳症を合併し、まれに死に至ることもあるため世界的に小児定期接種ワクチンとして接種されています。
症状
- カタル期(約2週間持続)
通常7~10日間程度の潜伏期間を経て、普通のかぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。 - 痙咳期(約2~3週間持続)
次第に、特徴のある発作性痙攣性の咳(痙咳)となります。これは短い咳が連続的に起こり(スタッカート)、続いて息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出ます(笛声)。この様な咳嗽発作を繰り返すことをレプリーゼと呼び、しばしば嘔吐を伴います。 - 回復期(2, 3週~)
激しい発作は次第に減っていき、2~3週間程度で認められなくなりますが、その後も時折発作性の咳が出ます。約2~3ヶ月程度で回復します。
軽症でも菌は排出しているので、ワクチン未接種の新生児・乳児には注意が必要です。
渡航の際の注意点
渡航先にかかわらず感染する可能性のある病気であるため、ワクチン接種が重要です。日本では10歳以降の接種が推奨されていないため、世界標準と比較した場合の免疫の維持・保有状況に不安があります。
当院で接種可能なワクチン
3種混合ワクチンTdap(Boostrix)
料金 | 11,000円 / 回 |
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適応年齢 | 10歳以上 |
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接種回数 | 1回 |
接種方法 | 筋肉注射 |
持続期間 | 破傷風は10年間 |
追加接種 | 10年ごとの接種を推奨 |
副反応
接種部位の発赤、腫脹、疼痛、倦怠感、頭痛などが出現することがあります。
予防接種を受けられない方
- 明らかに発熱のある方
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
- 過去にTdapワクチンに含まれる成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方
- その他医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方
予防接種に際し、医師とよく相談が必要な方
- 心臓病・腎臓病・肝臓病・血液疾患などの基礎疾患がある方
- 発育が遅く医師・保健師の指導を受けている方
- 風邪等の体調不良の方
- 予防接種を受けたときに、2日以内に発熱がみられた方及び発疹・蕁麻疹などのアレルギーを疑う症状が出現した方
- 薬の投与又は食事で皮膚に発疹が出たり、体に異常をきたしたことのある方
- 今までに痙攣を起こしたことがある方
- 過去に本人や近親者で、検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある方
- 妊娠中又は妊娠の可能性のある方