高血圧の原因
本態性高血圧と二次性高血圧の原因
高血圧には、本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)と二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)があり、それぞれ原因が異なります。本態性高血圧は生活習慣が関係しており、下記のような原因が挙げられます。
- 塩分過多
- 不摂生な食生活
- 肥満
- 運動不足
- 飲酒
- 喫煙
- ストレス
上記の他にも遺伝が関与しています。二次性高血圧は、血圧を高める病気が明確に存在する高血圧です。血圧を高める病気を治療すれば、高血圧は改善する可能性があります。
高齢者の高血圧の原因
高齢者は下記のような加齢による生理的な変化で、高血圧を引き起こすリスクが高まります。
- 血管の弾力性が低下する
- 腎臓の塩分や水分を排出する機能が低下する
- 血圧の調整機能が低下する
- 血圧が塩分に影響されやすくなる
上記のような生理的な変化は、同じ年齢でも個人差が大きいです。高齢になると肥満や脂質異常症(ししついじょうしょう:血中の悪玉コレステロールや中性脂肪が高い状態)も増加するため、動脈硬化のリスクが高まっていることがあります。
これらの生理的な変化と動脈硬化のリスクが相まって、高血圧になる可能性はさらに高まってしまいます。
女性に多い高血圧の原因
女性は妊娠時や更年期の際に高血圧を引き起こす可能性があります。妊娠時における高血圧の原因は明確にされていません。胎盤の血液の流れになんらかの問題が起きることが原因と考えられています。
また、女性は更年期に差し掛かり閉経を迎えると、高血圧の割合が約2倍になるという報告があります。これは女性ホルモンの減少が原因の一つです。女性ホルモンが減少すると血管を広げたり弾力性を保たせたりする作用が得られにくくなるためです。
以上のように、妊娠や更年期など女性特有の高血圧のリスクが存在します。
血圧が上がる具体的な5つの原因とその対策
主な高血圧の原因とその対策は下記の通りです。
- 塩分過多:食塩は1日6g未満にする
- 肥満:食事の乱れと運動不足を改善する
- 飲酒:アルコールは1日20g程度にする
- 喫煙:禁煙を心がける
- その他:十分な休息と睡眠を心がける
それぞれの詳細を解説します。
1.塩分過多|食塩は1日6g未満にする
塩分の制限は血圧を下げる重要な要素です。高血圧患者さんの食塩の摂取量は、1日6g未満が目安とされています。個人差はありますが、本態性高血圧の患者さんが食塩を1日1g減らすと、上の血圧が約1mmHg低下できるとされています。
減塩のポイントは下記の通りです。
- 減塩の調味料を使う
- 外食や加工食品は控える
- ラーメンなどの麺類の汁は飲まない
- 味付けは香辛料や酸味を活用する
- 過食を避ける
急激に食塩の摂取量を減らすと、体調を崩す可能性があるため注意してください。
2.肥満|食事の乱れと運動不足を改善する
肥満と高血圧の関係性は明らかにされています。BMI(肥満指数)が25〜29.9であると、高血圧の発症リスクが1.5〜2.5倍に上昇すると推定されています。
肥満の方が高血圧のリスクを下げるには、下記のような運動習慣やバランスの良い食事による体重管理が必要です。
運動 | ウォーキングなどの有酸素運動を1日30分以上実施する。 |
---|---|
食事 | 肉類や油物を避けて、野菜や果物、魚などバランスよく摂取する。ただし、糖尿病や腎臓病がある場合は医師に相談が必要。 |
個人差がありますが、体重を3〜4kg減らすだけでも血圧は改善します。
3.飲酒|アルコールは1日20g程度にする
お酒の飲み過ぎは高血圧のリスクを高めます。アルコールは1日20g程度を目安にしましょう。具体的な一日の飲酒量は下記を参考にしてください。
ビール | 日本酒 | ウイスキー | 焼酎 | ワイン | |
---|---|---|---|---|---|
アルコール度数 | 5% | 15% | 43% | 35% | 12% |
摂取量 | 中瓶1本500ml | 1合180ml | ダブル60ml | 1合180ml | 1杯120ml |
上記は男性における目安です。女性や高齢者は上記の半分を目安にしてください。
4.喫煙|禁煙を心がける
高血圧において禁煙は重要なポイントです。タバコは血管を狭くする作用や、心拍数を増加させる作用があり、高血圧のリスクを高めるためです。
また、悪玉コレステロールを増加させて動脈硬化も進行させてしまい、さらに高血圧のリスクが高まります。禁煙だけでなく受動喫煙も避けるようにしましょう。
5.その他|十分な休息と睡眠を心がける
前述した内容の他にも、下記のようなことが高血圧のリスクを高めます。
ストレス | ストレスは高血圧のリスクを約2倍高めるという報告がある。 |
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睡眠 | 寝不足や不眠は自律神経を乱してしまい高血圧のリスクを高める。 |
上記の高血圧のリスクを軽減するためにも、ストレスの発散方法の取得や十分な休息や睡眠時間の確保を実施することが大切です。
高血圧は原因を明確にして治療することが大切
高血圧は、全体の約90%が生活習慣や遺伝が原因である本態性高血圧です。しかし、中には、女性特有の高血圧や病気が原因である高血圧を発症している可能性もあります。高血圧の予防や治療を適切に進めるには、原因を明確にする必要があります。
健康診断で高血圧と指摘された、普段血圧を測っているがその値が気になる、そのような場合は大森ステーション内科小児科クリニックにご相談ください。ご予約の際は大森ステーション内科小児科クリニック「内科・アレルギー科・循環器内科」をご選択ください。
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大森ステーション内科小児科クリニックの生活習慣病の患者様の診療について
高血圧は初期には自覚症状がなく、多くの場合、健康診断で判明します。異常を指摘された場合は放置せず、少しでも早いうちに治療をスタートすることが大切です。
大森ステーション内科小児科クリニックの生活習慣病治療は下記のように行っております。お気軽にご相談ください。
- 健康診断の再検査や二次検査をご希望の方は必ず健診結果をご持参ください。
- 初回は原則、血液検査などの検査を実施します。その後は3~4ヶ月おきに定期的に採血を実施しフォローしております。
- 新規の薬剤導入の場合は原則30日以内処方としております。なお、継続処方の場合は、原則2ヶ月分を処方いたします。