肺気腫 / COPD
肺気腫 / COPD の原因・症状
“タバコ病”ともいわれるように、ほぼ喫煙が原因で起こります。
受動喫煙もリスクになります。
タバコを長年吸い続けることで、肺の組織がこわれてスカスカになってしまいますが、最初のうちは自覚症状がありません。
そのため、気づかれないケースがとても多く、しっかりと治療を受けられている方は5%未満といわれています。
ゆっくりと進行して、重症になってくると、咳・たん、息切れといった症状が出てきます。
肺がこわれる = カラダに酸素が取りこめなくなる
ということなので、カラダの酸素濃度が下がり、動くと苦しくなってしまいます。
生活の質が下がってしまうだけでなく、命にも関わる疾患です。
また、肺がんを合併し、狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気のリスクも上がります。
予防が何よりも大切で、なるべく早くから禁煙をする以外にありません。
肺気腫 / COPD の治療
COPDと診断されたら、しっかりと治療しましょう。
- 禁煙
- インフルエンザワクチン / 肺炎球菌ワクチン
- 吸入薬(気管支拡張薬 / 吸入ステロイド / 長期作用性抗コリン薬)
- 在宅酸素療法 / HOT
禁煙をすることで、生命予後を改善できるというデータがあります。
すべての患者さまに推奨されます。
Anthoniesen NR, et al. The Lung Health Study. JAMA 272 : 1497―1505, 1994.
インフルエンザや肺炎も、COPDの患者さまにとっては、危険な感染症になります。
ワクチンを打っておくことで、重症化を少しでもおさえましょう。
ひと昔前までは、COPDの患者さまの予後を改善するのは在宅酸素療法しかないといわれていました。
しかし今では、複数の吸入薬が知られており、死亡率を下げるというデータもあるため、しっかり使います。
Calverley PM, et al. N Engl J Med 356 : 775―789, 2007.
Tashkin DP, et al. N Engl J Med 359 : 1543―1554, 2008.
カラダの酸素濃度が低く、生活に大きく支障がでれば、在宅酸素療法の導入を考えます。
酸素ボンベを持つことはとても大変なことですが、有効と証明されている治療です。
Medical Research Council Working Party.
Report of the Medical Research Council Working Party. Lancet 1 : 681―686, 1981.
まずは、早めに見つけて治療が必要か判断することです。
気になる方は、お早めに医療機関をご受診ください。