コラム

年中要注意|熱性けいれんとは|症状・対処法など解説

小さい子どもは、思いがけず高熱を出すことがあります。
あっという間に上がっていく熱に驚いていると、突然けいれんを起こすことも珍しくありません。
けいれんを起こす子どもを前に、パニックになってしまわないよう、症状や対処法などを知っておきましょう。

熱性けいれんとは

高熱が出た時に、ひきつけが起きることを「熱性けいれん」と呼びます。
熱性けいれんになると、白目をむいて、全身に力が入って突っ張ったり、手足がガクガクと震えたりします。

単純型の熱性けいれんであれば、15分以内で発作が終わります。
また、24時間内に一度しか起きず、左右対称の全身性のけいれんが起きる場合も、典型的な熱性けいれんと判断され、特に詳しい検査は受けなくても大丈夫である場合が多いといわれています。

けいれんの持続時間や回数、けいれんの状態をしっかりと観察し、医師に伝えましょう。

熱性けいれんが起こるとどうなるのか

そもそも熱性けいれんは、5歳頃までの乳幼児期に多くみられる傾向があります。
38℃以上の発熱時に起こり、有病率は7~8%といわれています。

珍しい症状ではなく、脳障害や知能低下を引き起こす可能性は低いとされています。
しかし、細菌性髄膜炎や急性脳症、てんかんなどの重篤な疾患と症状が似ていることもあるため、症状をしっかりと見定める必要があります。

単純型の熱性けいれんには次のような特徴があります。

  • ​発作の持続時間は15分以内
  • 24時間以内に1回しかけいれんを起こさない
  • 全身性のけいれんが左右対称に起こる

熱性けいれんが起きた時の対処法

まずは落ち着くことが大切です。
熱性けいれんが起きると、目の前で子どもの意識がなくなったり、顔色が悪くなったり、そばで見守っている大人はパニックになってしまうことが多くあります。
パニックになってしまわないよう、具体的な対処方法を知っておきましょう。

身体を横向きに寝かせる

けいれん時には嘔吐することがあるため、仰向けにしていると吐しゃ物が気道を塞ぎ、窒息してしまうことがあります。
横向きに寝かせ、吐しゃ物が気道に入らないようにしましょう。
また、舌をかまないように口内に物を入れたり、顔色が悪いからといって人工呼吸を行うことは絶対にやめましょう。
これらは窒息の原因となるため、非常に危険です。

状況を記録する

けいれんが何分くらい続いているか、落ち着いて観察しましょう。
できれば動画などを撮っておくと、診察時に落ち着いて説明する助けとなります。

けいれんが5分以内におさまり、呼びかけに反応したり、視線が合ったりするようであれば、けいれん後に病院で診察してもらいましょう。
もしも、けいれんが5分以上続く場合は、救急車を呼び医療機関を受診することを検討しましょう。
また、けいれんが治まった後も意識や顔色が戻らない場合や、繰り返しけいれんを起こしてしまう場合にも、すぐに受診しましょう。

まとめ

熱性けいれんは、幼少期に高熱を出すと併発することが多い症状です。
発作が15分以内であり、24時間以内に1回のみしか起きず、けいれんが左右対称であれば、単純型と呼ばれる重篤でない熱性けいれんであることが一般的です。
また、こうした通常みられる熱性けいれんでは、知能低下や脳障害が起きることはありません。
短時間に2回以上繰り返す、胃腸炎を合併している場合などは注意が必要です。

けいれんが起きた場合は、とにかくパニックにならないよう落ち着き、窒息に注意しながら状況をしっかりと観察し、受診時にきちんと説明できるようにしましょう。
動画を撮影しておくことも有効です。

症状や対処法をしっかりと覚えておき、いざ子どもが熱性けいれんを起こした際に、落ち着いて行動できるようにしておきましょう。