コラム

子どもの花粉症は増えている?!子どもの花粉症対策について解説

花粉大国である日本。
花粉の魔の手は、大人だけでなく子どもたちにも……。
「子どもの花粉症」に関するあるアンケートの結果では、0歳~16歳の子どもを持つ親の約4割が、自分の子どもが「花粉症と診断された」もしくは「花粉症だと思う」と回答しています。
子どもの花粉症とどのように付き合っていけば良いかまとめました。

なぜ子どもの花粉症が増えたのか

小学生の子どもを持つ親の約半数が、自分の子どもが「花粉症の診断を受けている」または「花粉症の症状が出ている」と答えています。
発症した年齢の平均は5.8歳で、小学生以前にその兆候が現れていることが分かります。

子どもの花粉症のなぜ増えたのでしょうか。
原因の一つとして、子どもたちを取り巻く生活環境の変化が挙げられます。

現代の子どもたちは、昔の子どもたちよりも外で遊ぶ機会や時間が減っているため、細菌に触れる機会が少なくなっています。
それにより免疫が変化し、本来は害のない花粉に免疫反応を起こしているのではないかと考えられています。

実際に、屋外で花粉にさらされる機会の多い子よりも、室内で過ごすことの多い子どもが急に屋外で花粉を浴びてしまう方が、花粉症を発症しやすいといわれています。

さらに別の原因として考えられるのは、親からの遺伝です。
今の子どもの親世代は花粉症の発症率が高いため、親子で体質が似てしまい、それにより花粉にアレルギー反応を示しているということも考えられます。

子どもと大人で花粉症の症状に違いはあるのか

花粉症といえば、その症状は頻繁なくしゃみや目のかゆみなどが挙げられますが、子どもの症状は少し異なっているようです。
子どもの鼻への影響は、くしゃみよりも鼻づまりの方が大きい傾向にあります。
子どもの鼻は小さいため、とても詰まりやすく、鼻が詰まってしまえば花粉が入る隙がないため、くしゃみも出ないといわれています。
また、花粉症の大人が出す鼻水は、水のようにサラサラとしたものが多いですが、子どもの鼻水は粘り気があるため、これも鼻詰まりの要因となります。
鼻が詰まると、鼻呼吸が難しくなるため、口呼吸が多くなります。
そのため、喉が乾燥し痛くなったり、食事や薬などが飲み込みづらくなったりすることもあります。
鼻詰まりは目には見えませんので、口呼吸が増えていないかしっかり注意する必要があるでしょう。

また、子どもの場合、目をこすり過ぎて炎症を起こしてしまったり、目の周りがむくんでしまったりと、目の症状も多く見られます。
大人と違い、目のかゆみを我慢することはなかなか難しいため、頻繁に目を気にするようであれば、病院やクリニックで診てもらいましょう。

子どもの花粉症対策は

花粉症の症状が出ている子どもの約4人に1人は「授業に集中できない」と答えており、勉強に悪影響を及ぼしていることが分かります。
その一方で、約3割の親は「子どもの花粉症対策をしていない」ことも明らかになっています。
子どもの花粉症対策にはどのようなことができるのでしょうか。

まずは、花粉の飛散情報を確認することから始めましょう。
テレビやネットでその日の飛散量を確認し、飛散量が多い日には、できるだけ屋内で過ごすようにしましょう。
どうしても外に出なければならない時には、マスクを付け、帰宅したら外の花粉を屋内に持ち込まないよう、玄関先でしっかり花粉を落としましょう。
この際、花粉が落ちやすい衣類を身に着けることもおすすめです。

花粉は重いため床に溜まりやすい傾向にあります。
子どもは背が低いため、屋内で舞い上がった花粉を吸い込んでしまいやすいといわれています。
床に花粉が溜まらないよう、こまめに掃除することも大切です。

子どもの花粉症対策

  • 花粉の飛散量をチェックし、飛散量が多い日は外に出ない
  • 外に出る際は、花粉がつきにくい衣類やマスクを着用する
  • 外から屋内に入る際は、玄関先でしっかりと花粉を落とす
  • 屋内はこまめに掃除をする

花粉症にならないため、また花粉症になってしまっても重症化しないようにするため、こうした対策をしっかりと習慣づけていきましょう。

子どもの花粉症は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患と関わりがある場合もあります。
もしも子どもに花粉症の症状が出てしまったら、早い段階で病院やクリニックで診てもらいましょう。

当院では6歳以上の患者様にはアレルギーの原因を特定するMAST36というアレルギー検査も実施しています。ご希望の方はご相談にお越しくださいませ。