予防接種

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ワクチン

最終更新日 : 2022年5月23日

50歳すぎたら帯状疱疹ワクチン(シングリックス®︎)で予防しよう!

健康的な生活をしていても、誰にでも帯状疱疹のリスクがあります。
年齢をかさねるごとに、

  • 知人や家族が帯状疱疹になって痛そうだった
  • 芸能人の帯状疱疹のニュースが気になる

といったことが増えてくるのではないでしょうか。
ワクチン接種することで予防ができます。
50歳をすぎたら接種をお勧めいたします。

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帯状疱疹ってなに?

帯状疱疹とは、体の神経に沿って水ぶくれ(水疱)や赤み(発疹)ができる皮膚の病気です。
風邪など免疫力がさがったときに出やすいですが、生来健康な方でも発症します。
80歳までに3人に1人が発症するといわれています。
背中や脇腹にできて、ピリピリする・痛くて触れないという症状が多くみられます。
顔面にでることもあります。

日本皮膚科学会 皮膚科Q&Aより抜粋 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa5/q11.html

子供の頃、水ぼうそう(水痘)にかかりませんでしたか?
罹ったことがないという多くの方も、知らないうちにウイルスに感染しています。
水ぼうそうの原因である「ヘルペスウイルス」が、後になって帯状疱疹を引き起こします。
水ぼうそうは皮膚がきれいになれば治ったということになりますが、実はその原因のヘルペスウイルスは神経の付け根に長い間潜伏しており、大人になると顔を出します。
ほかの人からうつるものではありません。

帯状疱疹のココがやっかい

  • 人によっては激烈な痛みを伴う
  • 重症の場合、入院して抗ウイルス薬の点滴が必要になる
  • 顔面にでると顔面神経や味覚・耳の神経に障害がでることも
  • 強い神経痛が続き、残ることがある(帯状疱疹後神経痛)

帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹の皮ふがきれいに治った後も痛みが残ることです。
発生率は約3%といわれています。
60歳以上の方に多く見られ、重症であるほど発生しやすいとされています。
発症したときは、早めに治療を開始することが何より大切です。

帯状疱疹ワクチンとは?

帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹にならない・重症化しないようにするためのワクチンです。
接種すれば絶対にならないわけではありませんが、重症化を予防できます。
もちろん発症リスクを下げることができます。
また帯状疱疹は約6.4%に再発が認められるため、帯状疱疹にかかったことがある方の再発予防としても有効です(Shiraki K, et al. Open Forum Infect Dis. 4(1), ofm007, 2017)。

帯状疱疹ワクチンの種類と費用

「シングリックス®︎」と「水痘ワクチン」の2つがあります。

シングリックス®︎水痘ワクチン
対象50歳以上50歳以上
帯状疱疹の発症予防効果50歳以上 : 97.2%
70歳以上 : 89.8%
50%程度
帯状疱疹後神経痛の減少率50歳以上 : 100%
70歳以上 : 85.5%
60〜70%程度
副反応の頻度(以下の本文参照)
ワクチンタイプ不活化ワクチン生ワクチン
費用(1回あたり)22,000円(税込)7,150円(税込)
用法・用量0.5 mL 2ヶ月あけて2回筋肉注射0.5 mL 1回皮下注射
参考文献
Lal H, et al. NEJM. 372(22), 2087-2096, 2015
Cunningham AL, et al. NEJM. 375(11), 1019-1032, 2016

どっちのワクチンがいいの?

コロナワクチンの普及で副反応への理解が深まったせいかは分かりませんが、当院での接種はシングリックス®︎がほとんどです。
絶対にこちらという正解があるわけではなく、何を重視するかによってお選びください。

シングリックス®︎のメリット・デメリット

帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」のメリット・デメリットは以下の通りです(水痘ワクチン[生ワクチン]と比較)。

メリット
  • 帯状疱疹を予防する効果がとても高い
  • もし発症しても帯状疱疹後神経痛をおさえてくれる効果が高い
  • 不活化ワクチンであるため免疫低下している方にも接種できる

デメリット

  • 副反応の頻度が高い(注射部位の痛み・筋肉痛・だるさ・頭痛など)
  • 費用がかかる

シングリックス®︎は2022年に認可された帯状疱疹ワクチンです。
2回の接種による帯状疱疹の発症予防効果は、水痘ワクチンのそれより高く効果が期待できます(上の表を参照)。
また今のところ、9年間は効果が維持できることが確認されています。
一方で、副反応の頻度が高く、費用がかかるデメリットがあります。
副反応は、臨床試験の結果では、局所性(注射部位)の副反応が80.8%に認められ、主なものは疼痛(78.0%)、発赤(38.1%)、腫脹(25.9%)でした。
全身性の副反応は64.8%に認められ、主なものは筋肉痛(40.0%)、疲労(38.9%)、頭痛(32.6%)でした。
他のワクチンに比較して局所性副反応の頻度は高いですが、いずれも3日前後で消失することが分かっています。

接種するからにはしっかり効果を求めたいシングリックス®︎
価格重視水痘ワクチン