ウイルス性胃腸炎
脱水にならないようにしよう
これが何より一番大切なポイントです。
どのウイルスであっても特効薬はなく、ご自身の免疫力で治す以外にありません。
脱水のサインに注意
- 24時間たっても、水分が飲めず、おう吐が続く
- 水のような下痢が1日5回以上
- 不機嫌であやしてもぐずる
- ぐったり、うとうとしている
- 口の乾燥、目のくぼみなどが見られる
- 手足が冷たい
治っていく期間の中で(数日〜1,2週間)、あまり水分が飲めず、おう吐・下痢が多いと脱水になってしまいます。
少しずつこまめに水分摂取させることを意識しましょう。
水よりも、たとえばOS-1のようなイオン飲料水がオススメです。
1日あたりの飲む目安量
学童 | 500 〜 1000 mL/日 |
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幼児 | 300 〜 600 mL/日 |
乳児 | 体重1kgあたり 30〜50 mL/日 |
おう吐や下痢が続いている時は、
5mL(ティースプーン1杯、ペットボトルのキャップ1杯くらい)を5〜10分おきを目安に飲ませましょう。
たくさん飲ませると、飲んだものを吐いてしまいます。
嫌がって飲まない時は、ゼリータイプに変えてみたり、市販のベビースポイトで歯に沿ってゆっくり流しこむようにしましょう(舌に触れないように)。
おう吐がおさまってきたら、徐々に飲む量を増やしていきましょう。
感染拡大を防ごう
これが次に大切なことです。
家族・お友達へ(から)の感染。
いくら注意してもうつってしまう事はありますが、気をつけるポイントを知っておきましょう。
原則は、手洗い・マスクです。
トイレ・オムツ換えのときはもちろん、ドアノブやおもちゃにもウイルスはついています。
- おう吐・下痢をしてはねたものに触れてそれが口に入る(経口感染)
- 乾燥した吐物や便から舞い上がったウイルスを吸う
といった感染経路があります。
吐物や便を処理するときにやること
- 使い捨ての手袋・マスクをする
- ペーパータオルなどですぐにふき取る(乾燥するとウイルスが空中に舞う)
- ビニール袋に入れて口をしっかり縛って捨てる
- 吐物や便がはねた床は、次亜塩素酸ナトリウム(ハイター・ブリーチなど)を50〜100倍に薄めた液でしっかりと拭う
- 衣類や器具、オモチャなどは、250〜500倍に薄めた液に浸け置きした後、よく洗濯・洗浄する
- 手袋を外した後、通常の石けんで手洗いする
こどもの胃腸炎 Q&A
原因ウイルスとして、
・ロタウイルス
・アデノウイルス
・ノロウイルス
・アストロウイルス
・サポウイルス
などが知られています。
検査としては、たくさんあるウイルスの中で、調べられる種類はごくわずかです。
周囲の流行や、季節、便の見た目などから、ある程度は推測できます。
仮に、〇〇ウイルスであっても、△△ウイルスであってもやる事は同じです。
脱水を防ぐこと、感染拡大を防ぐことです。
ウイルスの特定にはあまりこだわらず、〇〇ウイルスかもしれないな、くらいのイメージで十分でしょう。
抗菌薬(抗生物質)は細菌(バイ菌)にしか効果はなく、ウイルスに対しては、どの種類であっても治療薬が存在しません。
なので、ウイルス性の胃腸炎の場合は不要です。細菌性の場合は、しっかりと使います。
お子さまのツライ姿を見ていると、何か治療薬を使わないとご不安になるお気持ちはよく分かります。
しかし、必要のない状況で抗菌薬を使ってしまうと、その薬が効かない細菌がお子さまの中で出来あがってしまいます。
お子さまにとって不利益のないよう、一人一人に合った治療をしていきましょう。