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狂犬病ワクチン

狂犬病とは

狂犬病は、狂犬病ウイルスによって引き起こされる疾患です。狂犬病ウイルスは、すでに感染しているイヌなどの動物に咬まれたり、なめられたりすることで感染します。発病した場合、有効な治療法はなく、死亡率はほぼ100%という危険な疾患です。

日本では、人では1954年、動物では1956年を最後に現在まで発生がありません。
しかし、世界的には多くの国、特に東南アジアや中南米、アフリカなどでは、人の狂犬病の発生がみられています。このような狂犬病流行国で犬に咬まれた人が帰国後発症する輸入感染事例は、1970年に1例、2006年には2例報告されています。

さらに、狂犬病ウイルスはイヌだけでなく、ネコやアライグマ、コウモリなども多く保有しており、これらの動物に咬まれたり引っかかれたりした場合にも感染してしまうことがあります。

狂犬病の症状

狂犬病を発病すると、下記の症状が現れます。

  • 発熱や頭痛などの感冒様症状
  • つよい不安感
  • 神経過敏症状(音、光、振動などへの異常な反応、時間や場所などを正しく認識できなくなる見当識障害、幻覚)
  • 全身麻痺
  • 昏睡

これらの症状が順に現れ、昏睡状態に陥ると呼吸不全により死亡します。
発病から死亡までは2〜6日間と言われています。

狂犬病の予防方法

狂犬病の発生が報告されている国や地域に渡航する場合、特に哺乳動物と接触する可能性がある場合には事前に狂犬病ワクチンの予防接種を行うことが推奨されています。

また、渡航先で動物との接触があった場合には、予防接種の有無に関わらず、早急に医療機関を受診し、狂犬病を発症しないよう、ワクチン接種を行ってください。

狂犬病ワクチンとは

狂犬病ワクチンは、狂犬病ウイルスを凍結乾燥した不活化ワクチンです。

国産ワクチンと輸入ワクチンがあり、いずれも任意接種となっています。

狂犬病ワクチンの効果

狂犬病流行地域に渡航して哺乳動物と接触する可能性のある方は、事前にワクチン接種を行うこと(曝露前接種)で曝露前免疫を獲得することができます。狂犬病ワクチンの曝露前接種を行うことで、狂犬病ウイルスが体内に入っても、既定の処置とあわせて確実な発症の予防が可能とされています。

また狂犬病ワクチンは、狂犬病ウイルスに感染している動物に咬まれた後の狂犬病発症予防(曝露後免疫)にも使用できます。

狂犬病ワクチンの副反応

注射部位の症状

  • 赤み
  • 腫れ
  • 疼痛

全身症状

  • まれに発熱

ゼラチンを含んだ食品や製剤に対して過敏症などがある方は、ショックやアナフィラキシーショック(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫や喉頭浮腫など)等が引き起こされる恐れがあります。必ず医師に申し出てください。

また、予防接種を受けた後30分間は急な副反応が起こることがあるため、様子を観察し、アレルギー反応などが見られた場合には医師にすぐ連絡するようにしてください。
接種当日は接種部位を清潔に保つようにしましょう。入浴は問題なく行えますが、接種部位をこすらないよう気を付けましょう。激しい運動、大量の飲酒も避けましょう。
高熱やけいれんなどの体の異常の症状がみられた場合には、早急に受診するようにしましょう。

狂犬病ワクチンを接種できない人

下記に当てはまる方は狂犬病ワクチンの予防接種を受けることができません。

  • 明らかな発熱(37.5度を超える)のある方
  • 重篤な急性疾患に罹っている方
  • 過去に狂犬病ワクチンに含まれている成分によってアナフィラキシーを起こしたことのある方

この他にも医師が不適当であると判断した場合にはワクチン接種を受けられないことがあります。

また、下記に当てはまる方はワクチン接種前に医師と相談する必要があります。

  • 他の医薬品投与によってアナフィラキシーを起こしたことがある方
  • 食事や薬の投与によって発疹が現れたり、体に異常をきたしたことがある方
  • 前回の予防接種を受けた際、2日以内に発熱がみられた方、あるいは発疹や蕁麻疹などのアレルギーが疑われる症状がみられた方
  • けいれんを起こしたことがある方
  • 風邪のひき始めと思われる方
  • 心臓病、腎臓病や肝臓病、血液疾患などの基礎疾患があるという方
  • 発育が遅いため、医師や保健師の指導を受けているという方
  • 過去に本人あるいは近親者が、免疫状態の異常を検査によって指摘されたことがある方
  • 妊娠中あるいは妊娠している可能性がある方

狂犬病ワクチンの費用

項目費用(税込)
狂犬病ワクチン16,500円

狂犬病ワクチンの接種回数・間隔

狂犬病ワクチンの曝露前接種は3回接種が主流となっています。
1回目の接種から1週間の間隔をあけて2回目の接種を行います。3回目の接種は、1回目の接種から3〜4週間後に行います。

狂犬病流行地域などで動物に咬まれたなどの場合には、狂犬病の発症予防のための曝露後接種を4回〜6回行います。
5回接種の場合は、受傷当日に1回目の接種を行い、それから3日後、7日後、14日後、28日後に1回ずつ行います。

狂犬病ワクチンのお申込み

ワクチン接種については下記フォームよりお申込みください。