破傷風とは
破傷風は、破傷風菌に感染することによって発症する病気です。発症した場合の死亡率が高い危険な病気でもあります。破傷風菌は世界中の土の中に存在しており、特に動物の糞便などで汚染された土壌は非常に危険です。主に、傷口から破傷風菌が入り込んで感染します。毒素を通してさまざまな神経に作用していき、特有の症状が現れるようになります。
破傷風の症状
破傷風菌の感染から3日〜3週間経過したのち、症状が現れ始めます。
- 口が開きにくい
- 顎が疲れる
- 首筋が張る
- 体の痛み
これらの症状が現れた後、体全体にしびれや痛みが広がっていき、歩行、排便や排尿の障害などがみられるようになります。やがて、全身の筋肉が固くなり、体を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れて、死に至ります。
破傷風の予防方法
破傷風ワクチンの予防接種が、最も有効な予防方法として考えられています。屋外での擦り傷など、破傷風の可能性があるけがを防ぐことは難しいためです。また、現在は予防接種の普及によって、新生児やけがをしやすい子どもの発症はまれなものとなりました。
破傷風ワクチンとは
トキソイドという種類のワクチンが用いられます。破傷風ワクチンの予防接種は基本的にすべての方に推奨されており、日本では小児への定期接種が実施されています。
破傷風ワクチンの効果
破傷風トキソイドがワクチンとして用いられています。破傷風ワクチンを正しく接種すると、ほぼ100%の方が十分な抗体を獲得するとされています。
免疫は接種後10年間持続すると言われています。土に触れる機会の多い農作業者や工事現場の従事者、不衛生な環境に身を置く可能性のある被災地域などでの支援の際にも、破傷風ワクチンの追加接種が重要となります。
破傷風ワクチンの副反応
一般的なワクチン接種による副反応として、下記のような症状が現れることがあります。
通常は数日中に消失する全身症状
- 発熱
- 頭痛
- 悪寒
- 倦怠感
- 関節痛
- 下痢
- めまい
通常は数日中に消失する局所症状
- 赤み
- 腫れ
- 疼痛
- 硬結
まれにみられる症状
- ショック
- アナフィラキシー様症状
接種後24時間は副反応の出現に注意した方が良いでしょう。特に、予防接種を受けた後30分間は様子を観察し、アレルギー反応などが見られた場合には医師にすぐ連絡するようにしてください。
接種当日は接種部位を清潔に保つようにしましょう。入浴は問題なく行えますが、接種部位をこすらないよう気を付けましょう。激しい運動、大量の飲酒も避けましょう。
高熱やけいれんなどの体の異常の症状がみられた場合には、早急に受診するようにしましょう。
破傷風ワクチンを接種できない人
下記に当てはまる方は破傷風ワクチンの予防接種を受けることができません。
- 明らかな発熱(37.5度を超える)のある方
- 重篤な急性疾患に罹っている方
- 過去に破傷風トキソイドに含まれている成分によってアナフィラキシーを起こしたことのある方
この他にも医師が不適当であると判断した場合にはワクチン接種を受けられないことがあります。
また、下記に当てはまる方はワクチン接種前に医師と相談する必要があります。
- 他の医薬品投与によってアナフィラキシーを起こしたことがある方
- 食事や薬の投与によって発疹が現れたり、体に異常をきたしたことがある方
- 前回の予防接種を受けた際、2日以内に発熱がみられた方、あるいは発疹や蕁麻疹などのアレルギーが疑われる症状がみられた方
- けいれんを起こしたことがある方
- 風邪のひき始めと思われる方
- 心臓病、腎臓病や肝臓病、血液疾患などの基礎疾患があるという方
- 発育が遅いため、医師や保健師の指導を受けているという方
- 過去に本人あるいは近親者が、免疫状態の異常を検査によって指摘されたことがある方
- 破傷風ワクチンに含まれる成分によってアレルギーを起こすおそれがある方
- 妊娠している可能性がある方
破傷風ワクチンの費用
項目 | 費用(税込) |
---|---|
破傷風ワクチン | 3,300円 |
Tdapワクチン (破傷風・ジフテリア・百日咳) | 11,000円 |
破傷風ワクチンの接種回数・間隔
破傷風ワクチンは、正しく予防接種を行うことで約10年間は免疫状態が続くとされています。
1968年以降に生まれた方
1968年以降に生まれた方は小児期の定期接種の対象となって三種(または四種)混合ワクチンを接種しているため、基礎免疫をもっています。最終接種から10年経過している場合には破傷風トキソイドまたは三種混合ワクチンの接種を1回行いましょう。
また、その後は10年ごとに破傷風トキソイドの追加接種を行うことが望ましいです。
1967年以前に生まれた方
1967年以前に生まれた方は小児期に破傷風を含むワクチンの定期接種が行われておらず、基礎免疫をもっていないため、まずは3回接種を行うことが推奨されます。
1回目の接種から2回目の接種までは1か月以上の間隔をあけ、2回目の接種から3回目の接種までは6か月以上の間隔をあけて行いましょう。
その後は10年ごとに追加接種を行うことが望ましいです。
小児期の定期接種
小児期の定期接種においては、まず生後3か月〜7歳半までに四種混合ワクチンの接種を行います。まずは3回接種を行い、それぞれ20〜56日の間隔をあけます。
そして3回目の接種から12〜18か月の間隔をあけて、4回目の接種を行います。
その後11〜12歳までに二種混合ワクチンを1回接種します。
参考
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name74.html
破傷風ワクチン・Tdapワクチンのお申込
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