小児科

風疹(三日はしか)

風疹(三日はしか)

風しんウイルスの感染で起こる急性ウイルス性発疹症です。
麻疹より短期間で治るので「三日はしか」とも呼ばれています。
発疹、発熱、リンパ節腫脹が主な症状ですが、感染しても症状が出ない状態で終わることも多いのが特徴です。
成人で発症した場合は、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛が現れるなど子どもよりも重症化ケースがあります。
さらに、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院が必要になる場合もあるので短期間で治るといっても軽視はできない疾患です。

風疹(三日はしか) の症状

潜伏期間である2〜3週間後、軽い発熱と淡い発疹が全身に出現します。
さらにのどを中心に、リンパ節腫脹がみられるのも特徴のひとつです。
また、感染していても症状がでないこともあり、症状が軽いため診断に至らないことも多くあります。
ですが、妊娠20週頃までの妊婦が感染すると、胎児が先天性風しん症候群(先天性心疾患、難聴、白内障)を発症することがあるので、自身はなんともない場合でも感染予防を徹底することが大切と言えます。

発疹

顔から現れて全身に広がっていきます。
麻疹に比べて赤みが淡いのが特徴で、3日間程度続きます。
溶連菌の時の発疹にも似ており、かゆみが出てくる場合もあります。発疹出現前に口腔内にフォルヒハイマー斑という点状で紅斑・紫斑が見られることもあります。

リンパ節腫脹

発疹出現前から耳のうしろやうなじ、後頭部のリンパ節が腫れます。

関節痛

思春期以降の女性が感染すると約70%が痛みを感じます。
ですが、小児や男児にはあまり見られません。痛みは1ヶ月ほど続く場合もあります。

微熱

麻疹のように高熱にならず、微熱の場合が多いです。

主な感染経路・予防対策

主な感染経路は、飛沫感染や接触感染です。
人から人にうつるため、手洗いうがい、消毒はもちろん、マスクなどで飛沫を抑えることも効果的です。
予防に関しては、やはりワクチンが有効的です。
生後1歳、小学校入学前の1年間にあたる時期のお子様であれば、麻しん・風しん混合(MR)ワクチンを無料で受けることができます。
子どもが風疹に感染しても重症化することは稀ですが、妊娠初期の女性が感染してしまうと、胎児に「先天性風しん症候群」(先天性心疾患、難聴、白内障)が生じる可能性があるので、周りの方がしっかりとワクチンによる予防を行うことが大切です。
多くの人が予防接種を受けると、個人を風疹から守るだけでなく、他の人に風疹をうつすことが減少します。