ロタウイルスワクチン
ロタウイルスは、乳幼児期に最も多く感染するウイルスの1つであり、主に下痢や嘔吐などの症状を引き起こします。ロタウイルスワクチンは、ロタウイルスによる感染症を予防するためのワクチンです。
ワクチンの接種時期と回数
生後6週から接種できますが、ほかのワクチンとの同時接種を考えて、生後2か月からが推奨されています。ワクチンの種類(1価及び5価)によって2回または3回接種します。どちらも初回を14週6日までに接種することが推奨され、接種できる期間が決められています。これがほかのワクチンと異なる点です。
ワクチン種類 | 接種回数 | 接種スケジュール | 接種完了までの期間 |
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ロタリックス®︎(1価ワクチン) ※ 一番流行して重症化しやすい1種類のウイルスを弱毒化したワクチン | 2回 | 初回を14週6日までに接種 1回目から4週以上の間隔で2回目 | 生後24週までに接種を完了します。生後24週以降は接種することはできません。 |
ロタテック®️(5価ワクチン) ※ 流行して重症化しやすいウイルスを含む5種類のウイルスを弱毒化したワクチン | 3回 | 初回を14週6日までに接種 1回目から4週以上の間隔で2回目 2回目から4週以上の間隔で3回 | 生後32週までに接種を完了します。生後32週以降は接種することはできません。 |
2回目から4週以上の間隔で3回|生後32週までに接種を完了します。生後32週以降は接種することはできません。
※ 当院ではロタリックス®︎のみの取り扱いとなります。
おすすめの接種タイミング
どちらのワクチンも生後6週から接種をはじめることができます。初回接種は生後2か月にB型肝炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合ワクチンとの同時接種がおすすめです。
接種方法と効果
ロタリックス®︎の場合、
経口接種(2回) | 1回接種量 1.5ml |
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※ ワクチンを吐き出した場合でも再投与は必要ありません。
※ 本来の量の約1/5量(0.3ml)臨床試験でも同等の予防効果が認められています。
1価と5価では、どちらでもロタウイルス感染予防効果は変わりません。5価の方がたくさん含まれているので良い様な気もしますが、実際には差がないことがわかっています。
安全性・副反応
安全性
ワクチン量を1回に6倍量(9ml)を服用しても、安全であることも確認されいます。
副反応
- 腸重積症
- 発熱
- 下痢
- 便秘
- 食欲不振
- 嘔吐
- 胃腸炎
などの症状が出る場合があります。また、まれに重篤な副反応としてアナフィラキシー(発疹、舌の腫脹など)があらわれることがあります。特に、ワクチン接種後1~2週間は腸重積症に注意が必要です。
同時接種の推奨
早く免疫をつけて、子どもを確実に守るために同時接種は欠かすことのできないものです。時接種が安全であることは、世界の常識であり、日本でも安全性の確認がされて、同時接種を推奨しています。