小児皮膚科

ステロイド剤の種類

ステロイド剤の種類

ステロイド剤の強さのランク

ステロイド剤(外用;塗り薬)は種類によって強弱がランクで分けられており、効き方には差があります。
日本皮膚科学会の『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』(2016)では、医療用ステロイド剤の強さを、軟膏を基準として、以下の5段階に分けています。

  • 最も強い(strongest)
  • 非常に強い(very strong)
  • 強い(strong)
  • おだやか(mild)
  • 弱い(weak)

ステロイド剤の選び方

症状別に選ぶ

薬局で購入できるOTC医薬品は、下から3ランクまでです。主に以下の2つ分けることができます。

強い(strong)

皮膚が赤く炎症を起こしてかゆみが強い、皮膚組織が壊れている場合などに使用

おだやか(mild) / 弱い(weak)

症状が軽い場合やデリケートな皮膚、乳幼児などに使用
副作用が怖いから弱いランクから使っていくという方法は正しくありません。
効き目が不十分なまま長く使いつづけることで症状を悪化させたり、慢性化させてしまう場合があります。
症状がひどい場合やご自身で判断がつかない場合はきちんと医師の診察を受けることが大切です。

剤形を選ぶ

ステロイド剤(外用;塗り薬)には様々な剤形があります。
種類によって皮膚への吸収率が異なるため、患部に適したものを使用することが大切です。

軟膏

一般的によく使用されている薬です。低刺激で患部を保護する作用があります。
患部が乾燥している場合、湿潤している場合の両方に使用でき、幅広く使うことができます。デメリットは、ベタつく、のばしづらいため広範囲に塗るときは大変、といったことがあげられます。

クリーム

若干刺激性がありますが、伸びがよく、使用感も良いため、軟膏のべたつきを避けたい方によく選ばれます。
乾燥した患部に適しています。

ローション

頭髪部など、軟膏やクリームを使用しにくい場所に使用する場合に適しています。
デメリットとしては、ジクジク(湿潤)した患部に使用するには向いておらず、若干の刺激性があります。

スプレー

こちらも軟膏やクリームを使用しにくい頭髪部などに適しています。
他の薬と違い、手を汚さず広範囲に使用できるのがメリットです。
しかし、使用量がわかりにくく正常な皮膚にも散布する危険性があります。

ジェル

炎症部位がかさついている場合や、脂漏性(しろうせい)皮膚炎に適しています。
湿潤した患部への使用は向いていません。
こちらも若干の刺激性があります。

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