予防接種

B型肝炎ワクチン

B型肝炎とおとなのB型肝炎ワクチンについて

▼目次

B型肝炎とは

B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)が血液や体液を介して感染して起きる肝臓の病気を言います。HBVは感染した時期、感染したときの健康状態によって、一過性の感染に終わるもの(一過性感染)とほぼ生涯にわたり感染が継続するもの(持続感染)とに分けられます。
持続感染になりやすいのは、出産時や3歳未満の乳幼児期の感染です。HBVの感染経路は垂直感染と水平感染に分けられます。
垂直感染というのは出産時に母体から生まれた子どもに感染が起きることです。水平感染というのは垂直感染以外の経路による感染です。

垂直感染

  • 出生時の母子感染

水平感染

  • 傷のある皮膚への体液の付着
  • 性行為などの接触
  • 刺青・ピアスの穴開け
  • 静脈注射用麻薬の乱用
  • 不衛生な器具による医療行為
  • 出血を伴うような民間療法

2016年4月1日以降に生まれた全ての0歳児にB型肝炎ワクチンが定期接種として接種されるようになりました。ワクチンを打って抗体が陽性になればHBVに感染することはありません。ただし、予防接種の効果は経年的に落ちていくため、永久的に維持されるわけではありません。

症状

B型肝炎は急性肝炎と慢性肝炎に大きく分けられます。

B型急性肝炎

感染して1~6ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸などが出現します。肝炎の程度が軽い場合、自覚症状もなく治ることもあります。しかし中には激しい肝炎を起こすこともあります(劇症肝炎)。劇症化に至らない場合には、数週間で極期を過ぎ、回復過程に入ります。

B型慢性肝炎

出生時や乳幼児期に感染すると、幼い体の免疫系はウイルスを病原体と判断できず、持続的にウイルスが存在し続ける持続感染に移行します。生後数年~数十年間は肝炎は起きず、感染したHBVは排除されずに体内で共存している無症候性キャリアという状態になります。一般に10~30歳代で一過性に強い肝炎を起こし、多くの場合肝炎はおさまっていきます(非活動性キャリア)。
このように思春期以降に一過性の肝炎を起こした後は、そのまま肝機能が一生安定する人がおよそ80~90%ですが、残りの10~20%の人は肝炎の状態が持続する慢性肝炎の状態になります。慢性的に細胞が壊れ続けると、線維化という状態になり、線維化が進行して固くなってしまったのが肝硬変です。
一部、肝細胞がんになることもあります。

予防方法

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することを避けるためには、感染している人の血液になるべく触れないことが大切です。具体的には、以下のようなことに気をつけてください。

  • 歯ブラシ、カミソリなど他人の血液が付いている可能性のあるものを共用しない。
  • 他人の血液に触れるときは、ゴム手袋を着用する。
  • 注射器や注射針を共用して、非合法の薬物(覚せい剤、麻薬等)の注射をしない。
  • 入れ墨やピアスをするときは、清潔な器具であることを必ず確かめる。
  • よく知らない相手との性行為にはコンドームを使用する。
  • 海外渡航時や他人の血液や体液に触れる可能性のある方はB型肝炎ワクチンを接種する。

なお、以下のような場合にはB型肝炎ウイルス(HBV)は感染しません。

  • HBVに感染している人と握手した場合
  • HBVに感染している人と抱き合った場合
  • HBVに感染している人と軽くキスした場合
  • HBVに感染している人と食器を共用した場合
  • HBVに感染している人と一緒に入浴した場合
  • HBVに感染している人の隣に座った場合

B型肝炎ワクチンとは

B型肝炎ワクチンは主に、ヘプタバックス-Ⅱ®とビームゲン®があります。ワクチンの効果に違いはありません。
現在、1歳未満はB型肝炎ワクチンが定期接種になっています。
事故などで他人の血液に触れたりする可能性もゼロではないため、当院では大人の方の接種も推奨しております。特に海外ではB型肝炎が流行している地域もあるため、長期滞在される方は事前接種しておきましょう。

リスクのある地域

https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name01.html

このように、世界中でB型肝炎は発生しています。
2017年のWHOの情報によると全世界のB型肝炎感染者数は約2億6,000万人とされており、その多くがアジア、アフリカ諸国に分布しています。日本を含む多くの先進国では医療機関での器具の消毒や輸血血液の安全性が徹底されており、医療行為に伴うB型肝炎ウイルスの感染はほとんどありません。
しかしながら、発展途上国においてはまだまだ整備が進んでおらずリスクがあるため、予防接種が重要です。

接種間隔

3回(初回から4週間後に2回目、初回から20~24週間後に3回目を接種する)

また、その他のワクチンとの接種間隔は下記です。

厚生労働省│ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ
ワクチンの種類主なワクチン接種間隔
不活化ワクチン・経口生ワクチンインフルエンザワクチン
肺炎球菌ワクチンなど
制限なし
生ワクチンMRワクチン
水痘ワクチンなど
27日あける
新型コロナワクチン2週間後
新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは同時接種不可かつお互い片方のワクチンを受けてから2週間後に接種可能です。

効果

B型肝炎ワクチン3回接種後の効果は5年以上持続すると言われています。
ただ、抗体のつき方は個人差が大きいため3回接種完了後、1ヶ月程度経過後に抗体検査で抗体価を確認することを推奨します。

副反応

一般的な予防接種の副反応と同様に、注射部位の疼痛、腫脹、硬結、発赤、そう痒感、熱感などがあります。

接種できない人

  • 明らかに発熱のある方
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
  • 過去にB型肝炎ワクチンの接種を受けてアナフィラキシーを起こしたことがある方
  • その他医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方

当院のB型肝炎ワクチン・抗体検査の費用

B型肝炎の抗体は1週間程度で結果が出る血液検査で調べることができます。
過去に接種歴があり、追加接種するかどうか迷っている方はまずは抗体検査を受けられることを推奨します。

肝炎ウイルス検査(HBs抗原)2,200円
肝炎ウイルス検査(HBs抗体)2,200円
B型肝炎ワクチン5,500円
すべて1回あたりの税込の費用です

💡抗体検査結果の見方

HBs抗原HBs抗原が陽性であれば、100%HBVに感染していると考えられます。陰性の場合は、ほとんどの場合HBVに感染していないと考えられます。
HBs抗体B型急性肝炎を発症して治癒した人、あるいはB型肝炎ワクチンを接種した人はHBs抗体が陽性となります。
また、その他のワクチンとの接種間隔は下記のとおりです。

ご予約方法

蒲田駅徒歩30秒の当院ではLINEから24時間ご予約が可能です。休日診療もおこなっており、土日祝を含む毎日ワクチン接種が可能です。

当院ではLINEによる診療予約を導入しております。
LINEから予約のキャンセル・変更も可能です。

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来院時のお持物

  • 健康保険証

参考情報