糖尿病

飲み薬による糖尿病の治療

飲み薬による糖尿病の治療

更新日 : 2022年5月30日

このページでは、血糖値を下げる糖尿病の「飲み薬」について患者さん向けに医師がやさしく解説します。

糖尿病を治療する本当の目的は、将来的に合併症(失明・透析・足の切断・脳卒中・心筋梗塞など)を起こさず、元気に長生きすることです。
「いつ起こるか分からない将来のリスクにそなえる」というのはなかなか実感がわきづらいものです。
目先だけを見れば、血糖値をさげることが治療の目標になります。


具体的には

「HbA1c*を7%未満にさげましょう」

*HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは採血でわかる項目。直近2カ月分の血糖値の平均値のようなもの

どんなときに糖尿病の飲み薬が必要?

糖尿病と診断され、食事・運動をがんばっても血糖値が下がらない方は、次に薬による治療が必要になります。
薬の治療には段階があります。

大きく分けて

  1. 飲み薬
  2. 注射(GLP-1、インスリン)

の2つです。

まずは飲み薬から始めます。

糖尿病の飲み薬にはどんなタイプがある?

糖尿病の人口は世界に5億人ほどいるといわれています。
そのため飲み薬も山のようにあり、以下のようなタイプがあります。

もちろん覚える必要はありません!
しかも、タイプごとに色々なメーカーがそれぞれ薬を販売しています。
あまりに多すぎるため、新しく薬を追加するときは、ドクターも自分が使い慣れた薬を処方しているのが一般的です。

飲み薬のタイプごとに違いがあるの?

かなり違いがあります。
血糖値を下げる効果が強い・弱いだけではありません。
薬ですから副作用もあります。
血糖値を下げすぎてしまう(低血糖)リスクがあるもの、心臓や腎臓に病気がある方に良いもの、尿の量が増えるものなどさまざまです。
大切なのは、カラダ全体の状態をふまえてその方にあったタイプの薬を選ぶことです。
タイプごとの詳しい説明は難しい内容になるためこのページでははぶきます。
糖尿病の治療を始めるのは早いに越したことはありません。
はじめての方、すでに他でお薬をもらっている方もお気軽にご相談ください。

当院では24時間LINEからご予約いただけます。

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LINEから予約のキャンセル・変更も可能です。

注射の糖尿病治療が必要なのはどんなとき?

おおよそ3タイプほど飲み薬を併用しても血糖値がうまく下がらないときは、「注射」による治療を検討します。
血糖値がとても高い状態が続いていると、すい臓(体の中でインスリンという血糖を下げるホルモンを作ってくれる臓器)がアップアップになってしまい、一時的に何をやっても薬が効かないことがあります。
この場合は一度入院してインスリン投与により血糖値をしっかり下げてやります。
「糖毒性の解除」といってすい臓を休ませてあげることで、飲み薬だけで血糖値が下がるようになることもありますし、それでもダメなら注射を使っていきます。
入院が必要であったり、より専門的な治療が必要と判断したときは、ご相談しながら適切な病院をご紹介いたします。
糖尿病の注射による治療についてはまた他のページで解説します。

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