MR(麻疹風疹混合)ワクチン
MR(麻疹風疹混合)ワクチンとは麻疹(はしか)と風疹の感染を予防するための重要なワクチンです。
▼目次
- 麻疹(はしか)とは
- 風疹とは
- 風しんの追加的対策│川崎市風しん対策事業
- MR(麻疹風疹混合)ワクチンとは
- 当院のMR(麻疹風疹混合)ワクチン・抗体検査の費用
- MR(麻疹風疹混合)ワクチンの接種間隔
- ご予約方法
麻疹(はしか)とは
麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。
麻疹ウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。
一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
麻疹の症状
感染すると約10日の潜伏期間の後に発熱や咳、結膜充血、鼻水といった風邪のような症状が出現します。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。合併症として肺炎や脳炎を起こすことがあり、死亡する割合も先進国であっても1,000人に1人と言われています。
麻疹の予防方法
麻疹は感染力が非常に強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。
予防接種が最も有効な予防法といえます。
また、麻疹感染者に接触した場合、72時間以内にワクチンの接種をすることで発症を予防できる可能性があります。
風疹とは
風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症で、免疫がない場合、1人の風疹患者から5~7人にうつすほどの感染力の強さが特徴です。
感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。
症状は不顕性感染(感染症状を示さない)から、重篤な合併症の併発まで様々です。
特に成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛が出てくるなど、小児より重症化することがあります。また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院が必要になることもあります。
また、妊娠20週頃までの妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。
風疹の症状
感染すると約2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出現します。子どもの場合比較的軽症の場合が多いとされていますが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症を起こすことがあります。
大人がかかると発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。
発疹の出る前後約1週間は人に感染させる可能性があります。
風疹の予防方法
風疹の予防のためには、予防接種が最も有効な予防方法といえます。
風しんの追加的対策│川崎市風しん対策事業
厚生労働省の施策として昭和37年度~昭和53年度生まれの男性の方々にお住まいの自治体から、原則無料で風疹の抗体検査と予防接種を受けられるクーポンを配布しています。
また、川崎市では妊娠を希望する女性(妊婦は対象外)とそのパートナー、妊婦のパートナー、昭和34年4月2日から平成元年4月1日の間に生まれた男性で、川崎市の事業を利用したことがない川崎市民に、まず、抗体検査を受けることをお勧めしています。助成対象となる方は無料で抗体検査、抗体がない方には自己負担3,200円で予防接種が受けられます。
MR(麻疹風疹混合)ワクチンとは
MR(麻疹風疹混合)ワクチンは、麻疹ウイルスと風疹ウイルスに対する免疫を獲得するために接種されるワクチンです。麻疹・風疹それぞれ単独のワクチンもありますが、現在は混合ワクチンが主流です。
このワクチンは、弱毒化されたウイルスを含んでおり、免疫系を刺激して抗体を作り出します。麻疹と風疹は非常に感染力が高く、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、予防接種は重要です。
MR(麻疹風疹混合)ワクチンの効果
接種することによって麻疹、風疹いずれも95%以上の人に抗体をつけることができると言われています。また、2回の接種をおこなうことで1回の接種では抗体がつかなかった方の多くにも抗体がつくと言われています。
接種後年数の経過とともに抗体が低下してきた人に対しては追加接種をおこなうことで免疫強化が期待できます。
MR(麻疹風疹混合)ワクチンの副反応
ワクチン接種でみられる一般的な副反応(発熱・発疹・鼻汁・接種部位の腫脹等)が出現する可能性があります。
MR(麻疹風疹混合)ワクチンを接種できない人
- 明らかに発熱(通常37.5℃以上)している場合。
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな場合。
- その日に受ける予防接種の接種液に含まれる成分で、アナフィラキシーを起こしたことがある場合。
- その他、医師が不適当な状態と判断した場合。
- 現在妊娠している方や妊娠の可能性がある方。
※また、女性の場合接種後2か月間は妊娠を避ける必要があります。
当院のMR(麻疹風疹混合)ワクチン・抗体検査の費用
ワクチン | 接種回数 | 1回の費用(税込) |
---|---|---|
MRワクチン | 1回 (2回) | 11,000円 |
また、過去にワクチンを接種したことがあるかわからない方や、ワクチンを接種したことがあるが抗体の有無がわからず、確認してからワクチンを接種したい方には抗体検査を推奨します。
検査名 | 費用(税込) | 説明 |
---|---|---|
麻疹抗体検査(EIA法) | 5,500円 | 血液検査で麻疹の抗体価を調べます。 |
風疹抗体検査(HI法) 風疹抗体検査(EIA法) | 5,500円 | 血液検査で風疹の抗体価を調べます。 |
MR(麻疹風疹混合)ワクチンの接種間隔
通常MRワクチンは1回接種ですが、効果を高めるために2回接種することが可能です。
その際には最低27日間隔をあけて接種する必要があります。
また、その他のワクチンとの接種間隔は下記のとおりです。
ワクチンの種類 | 主なワクチン | 接種間隔 |
---|---|---|
不活化ワクチン・経口生ワクチン | インフルエンザワクチン 肺炎球菌ワクチンなど | 制限なし |
生ワクチン | BCG 水痘ワクチンなど | 27日あける |
新型コロナワクチン | 2週間後 |
ご予約方法
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来院時のお持物
- 健康保険証
- 受診券・クーポン(助成を受けられる方のみ)