アレルギー科

食物アレルギー

当院では6歳未満のお子様にアレルギー検査は実施しておりません。
大人とちがってお子様の体質・データは年単位で変化し、この検査自体もお子様の負荷になること、検査結果より症状と合わせた臨床判断が大切であることから、精査が必要と判断した場合は専門医がいる総合病院・大学病院をご紹介いたします。

食物アレルギー

食物アレルギーとは、「本来は体に害を与えない食べ物を異物と勘違いし、免疫反応が過敏に働いてしまう現象」を言います。日ごろおいしく食べている食べ物が、ある日突然、病気の原因になることもあります。その結果、蕁麻疹やかゆみ、咳などが引き起こされます。そして時には、アナフィラキシー(極めて短い時間のうちに全身にアレルギー症状が出る反応のこと)という重い症状が出ることがあるため注意が必要です。アナフィラキシーは血圧の低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることもあります。これをアナフィラキシーショックと言います。

食物アレルギーの原因となる食材

食物アレルギーの原因となる食べ物は年齢・国・個人によって異なるため一概には言えません。大人では小麦、魚類、甲殻類、果物類の順に多いと言われています。

食物アレルギーの原因食品

0歳1、2歳3~6歲7~17歲18歲以上
1位鷄卵鷄卵木の実類果物類甲殼類
2位牛乳魚卵類魚卵類甲殼類小麦
3位小麦木の実類落花生木の実類魚類
4位牛乳果物類小麦果物類
5位果物類鷄卵雞卵大豆
出典 : 食物アレルギー診療ガイドライン2021

食物アレルギーになる理由

本来は体に害を与えない食べ物が異物と判断されてしまうことでアレルギー反応が起きます。そして、異物と判断してしまうことを「感作」といいます。感作されてしまう原因に関してはまだすべてが明らかになっておりません。 しかしながら、体の中の何らかの炎症やダメージがある部位で食べ物と出会ってしまうと、その食べ物を悪いもの(異物)と勘違いしてしまい、感作されるのではないかと考えられています。 また、親がアレルギー体質だと子どももアレルギーになりやすい傾向があったり、疲れているなど体調がすぐれないときに発症しやすいなどともいわれています。

食物アレルギーの主な症状

食物アレルギーで出現する症状は 皮膚症状、粘膜症状、呼吸器症状、消化器症状、神経症状、循環器症状に大別されます。それぞれの代表的な症状は以下の通りです。

皮膚症状蕁麻疹かゆみ、赤み、むくみ、湿疹
粘膜症状鼻汁(鼻水)、鼻閉(鼻づまり)、くしゃみ、口周りの違和感
呼吸器症状喘鳴、声枯れ、呼吸困難
消化器症状嘔吐・吐き気下痢、腹痛
神経症状頭痛、活気の低下、意識障害
循環器症状血圧低下、不整脈、頻脈

食物アレルギーのタイプ

甲殻類やそばなどの食べ物による通常のアレルギーと「口腔アレルギー症候群(OAS)」があります。原因となる食べ物を摂取すると直後に口腔内やのどがイガイガしたりかゆくなったりする超急性型のアレルギーで、りんご、キウイ、ももなどで起こります。口腔アレルギー症候群は花粉症との関連が非常に強いと言われており、例えば、シラカバ花粉症の人は、多くの場合、りんごやももなどバラ科の果物でアレルギー症状が起きるとさえれています。似た構造の成分を持つ果物にも反応してしまうのです。カモガヤなどイネ科の花粉症は、メロンやスイカといったウリ科の果物と関連性があると言われています。

口腔アレルギー症候群の例

花粉交差反応を示す食品
シラカバ、ハンノキリンゴ、モモ、サクランボ、 ナシ、キウイ、 大豆など
スギ、ヒノキトマト
カモガヤ (イネ科)メロン、スイカなど
ブタクサメロン、スイカ、キュウリ、 バナナなど

ラテックスアレルギーの方は、バナナ、キウイ、アボカドなどでアレルギー反応が起きると言われています。また、食べて運動すると起きる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」もあります。小麦食品を食べてから30分~2時間以内に運動するとアナフィラキシーを起こすというもので、激しい運動だけでなく散歩などの軽度な運動でも起きることがあります。食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、一般の小麦アレルギーとは原因となる成分が異なり、小麦に含まれるグルテンやオメガ5グリアジンという水に溶けない成分が原因となります。

食物アレルギーの検査と治療

検査

  • いつ・どこで
  • 何を・どれくらい食べた?
  • どのくらい後に?
  • どんな症状?

などの問診をおこないます。 当院ではMAST36というアレルギー検査をおこなっていますので採血でアレルギーの原因となりうる物質への抗体の量を確認します。

当院では6歳未満のお子様にアレルギー検査は実施しておりません。
大人とちがってお子様の体質・データは年単位で変化し、この検査自体もお子様の負荷になること、検査結果より症状と合わせた臨床判断が大切であることから、精査が必要と判断した場合は専門医がいる総合病院・大学病院をご紹介いたします。

治療

原因となる食べ物を摂取しないようにし、症状出現時には薬物療法として抗アレルギー剤(抗ヒスタミン薬)の服用、さらに症状がひどい場合はステロイドの投薬をおこなうこともあります。

食物アレルギーと付き合っていく

子どもの食物アレルギーは成長とともに治ることが多いと言われていますが、大人の食物アレルギーは一度発症すると治ることはなく、原因となる食べ物を避けて付き合っていくしかありません。食物アレルギーはいつ誰が発症してもおかしくなく、体調不良がきっかけになることもあるため、疲れているときは原因になりやすい食材を避けましょう。

こんな方は要注意

花粉症の人 親がアレルギー体質の人 アトピー性皮膚炎の人 ストレスが多い人 疲れている・体調がすぐれない

アレルギーに関するトピックス

当院ではアレルギー検査を含むアレルギー外来をおこなっておりますので、アレルギーかな?と思った方はぜひご来院ください。